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「次会えるのは一週間後…」
付き合っても会える頻度は変わらない。
石油が見つかるまでは探索チームは帰ってはまた探索に行き帰っては探索……
今まで羽京と顔も合わせられなかった日など沢山あった。
丸一年会えなかった頃に比べれば短いはずなのに小さくAは肩を落とす。
「油田が早く見つかれば…」
石油が見つかっても探索はするだろうが、無理に危険な場所の捜索はしなくて済む。
探索チームの安全のためにも石油は1日でも早く見つけられたほうがいい。
「…よしっ」
Aは気球から撮られた写真が置かれている第二科学室へと向かう。
今まで撮った写真約2000枚を見る覚悟をする。
脳内にある気球から見た夜の森と、昼間に撮られた写真を脳内に照らし合わせ一致させようもするが…
ブロッコリーを拡大して撮ったような気球から撮影された森の写真は、一枚一枚全く別の写真だが、どれも特徴が少なく同じに見える。
「えっと…この写真は……」
Aは机に置いてある虫眼鏡で、とりあえず2000枚以上の写真を一つ一つ丁寧に見る。
写真を一枚一枚見るだけでも気が遠くなりそうな作業だが、それに合わせて過去の映像を思い出し、写真の場所を一致させようと脳をフルに使う。
「っーー…見終わった…」
通常の仕事をしつつ、丸一日かけて写真を全て見終わる。
「偏頭痛がっ…」
大量の写真を見てAの脳が記憶保管に追われ悲鳴を上げていた。
ズキズキと痛むこめかみを抑え、一度瞼を閉じ目と脳を休憩させる。
数分休憩し、Aは以前に千空と作った地図とコンパスや筆記用具を棚から引っ張り出す。
「死ぬ気で頑張れば…」
写真を見て整理するだけでも丸一日ここから考えて地図を書くとしたら……恐ろしいことになるが、羽京達が次の探索までに完成させたい。
今後の食料調達に必要になりそうな鹿や猪と思われる群れ、カエデ科の木の場所、大きな水溜りのようなカゲが写っている石油と思われる写真の場所の特定を急ぐ。
猪や鹿の群れが集まる場所は、石上村から北に50キロほど離れた川の流れが緩やかな森だと特定する。
もう一つの水溜りが写っている写真をAはじっくりと虫眼鏡で確認する。
もしこれが池や湖だとしたらモノクロ写真では太陽の光が反射して白飛びしているはずだが、黒くボヤけているということは…石油が溢れている可能性が高い。
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格下のカスもどき - 作者さん外国人説(勝手にすみません) (2月1日 19時) (レス) @page27 id: f23bfbddd8 (このIDを非表示/違反報告)
クリーム(プロフ) - マジモンの名無しさん» ご報告ありがとうございます!設定を変更しましたので好きな名前でお楽しみ下さい (11月27日 18時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - フウ太が(人1)になってもうてる... (11月26日 17時) (レス) @page14 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリーム | 作成日時:2023年11月22日 17時