顔に出る ページ6
貴｢あの〜、こんにちは〜｣
銀｢おう！ちょっと待ってな。おーい、お前のカノジョ来とるけど｣
治｢あー、愛しの笹原〜！会いたかったで〜｣
貴｢嘘くさ...｣
治｢そんなことないやろ｣
貴｢そんなことあるから｣
ツッコミを入れたら足元がグラッとして治くんの方に倒れた。
治｢なんや、調子悪そうやな｣
貴｢そう？元気だよ！元気元気！｣
治｢ならええけど。んで、今日の差し入れは？｣
貴｢リクエストのブラウニーと、来る直前に思いついたレモンのはちみつ漬けを応用したスポドリ｣
治｢まっとたで〜。いただきまーす！｣
貴｢皆さんもどうぞ｣
あの日から、私たちが付き合ってるって噂が校内中に広がってもう弁解が追いつかなくて、治くんのラブレターノーサンキュー作戦に乗って何となくそんな雰囲気で生活している。
こうして部活に顔をだして差し入れするぐらいには治くんとも仲良くなった。
まぁ、治くんのファンの目線は相変わらず痛いけど。
それより最近気になるのは...
貴｢侑も良かったら食べて？｣
侑｢あー、うん｣
貴｢ドリンクもね！侑が好きそうな味にできたと思うんだ！｣
侑｢おー、後でもらうわ｣
貴｢っ、あのさ、最近なんか...｣
侑｢ごめん、ちょっと用事思い出した｣
貴｢あ...｣
この噂が出回って以来、侑は私を避けるようになった。と、思う。
前は、クラスで結構話しかけてくれて、友達が出来たのも侑のおかげで、侑といると楽しくて...
前みたいに話したいな。
なんで避けられてるんだろ。
私何かしたかな。
貴｢...はっ！まさか彼女ができてあんまり他の子と仲良くしないでって言われたとか！？｣
治｢ぶっ...｣
貴｢治くん、何がおもしろいの？｣
治｢いやぁ、ツムに彼女て｣
貴｢いやいやありえるでしょ！？あの侑だよ！？今までだって作ろうと思えばいつだって彼女作れたと思うし、むしろいなかったのが不思議でしょうがない...ってゆーか私、侑のことだって言ってないよね？｣
治｢言わんくてもだいたいわかるで｣
なんでわかるんだろう。双子の何かがあるんだろうか。
治｢笹原はすぐ顔に出るんやで。自分じゃわからんかもしれんけど｣
バッと、持っていたバックで顔を隠す。
声をあげて笑う治くん。
治くんは侑の様子が変なことに気づいているだろうか。
角｢(治こわ)｣
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作者名：七城 | 作成日時：2020年3月6日 15時
