昨日の出会い ページ3
貴方side
治「！！…めっちゃうまい」
貴「そう？よかった」
治くんがうまいうまいと食べているのは今朝私が作ったお弁当。
「あの子誰？なんで治くんと一緒いるん！？」
「あのお弁当、あの子が作ってきたんかな」
すっごい見られてる気がする…。
付き合ってるとか変な勘違いしないでね、女子達！！
私だって治くんのお弁当作る日が来るなんて思ってもなかったよ。
何故お弁当を作ることになったかというと、
昨日の放課後の話になる。
私は家庭科部で、本来月曜日は部休なのだが昨日は1人で放課後冷蔵庫の整理をしていた。
賞味期限が近いものは多分使う機会がないから処分してもいいと言われていたのだが、捨てるのはもったいないし処分する食材で簡単なものを作って持って帰ろうかな。
なんて思っていた。
冷蔵庫を整理していると使えそうな食材がたくさんあった。
材料
・賞味期限が明日のベーコン
・早くしないと悪くなっちゃう余りのネギ
・調理実習の余りひき肉
・今日切れの卵一個
・調理実習で余った白米
・私考案特製ソース
貴「よし、簡単で早く作れるしチャーハンにしよ〜」
その頃の治。
治「あ、」
侑「どした？」
治「プリント出し忘れとった、行ってくる」
侑「ほんなら昇降口におるわ」
ツムの言葉に頷いて職員室に向かった。
職員室の帰り、家庭科室の前を通ったら
なんやええ匂いがした。
そっと覗いてみると1人料理してる子がおった。
グゥゥゥ
なんの音や？
中で料理していた子と目があった。
貴「よ、よかったら食べる？ええっと…治くん」
今の、俺の腹の音だった。
治「食っていいん？」
貴「今テキトーに作ったやつでもよかったらどうぞ」
部活終わりやし、腹減ってるし、うまそうやし
治「もらうわ」
見た目は普通のチャーハンやった。
でも、今まで食べたチャーハンの中でダントツやった。うますぎる。
治「…うま」
貴｢そ、それならよかった。気に入ってもらえたなら全部食べちゃってもいいよ？どうせ余り物で作った大したことないやつだし」
治「もう全部食ったで」
俺は今決めたで。この意思は固い。
治「ほんまにうまかった。」
貴「お粗末様でした」
治「ああ、名前なんて言うん？」
貴｢笹原A｣
治「なぁ、笹原。…明日から俺の弁当作ってきて？」
貴「はい？」
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作者名：七城 | 作成日時：2020年3月6日 15時
