大切な人の席【江戸川乱歩】

13席 ページ30

Aside

ことは、地獄の女子会が終わった数日後

「あんた達、デェトはしたのかい？」

「したのですか？」

「えっ、何ですかその手に持ってるのは」

「デェトはしたのかい？」

「ふふっ」

「え？」

＿＿＿

手に持っているものは、遊園地のチケットだった

「遊園地ねぇ…行ったことあったっけ？」

「覚えてない」

髪飾りさん曰くチケットは貰い物らしい。髪飾りさんと黒髪ちゃんで行けばよかったのに

何ともいえない顔をしながら遊園地の地図を見つめる乱歩

こいつ…私服かっこいいな

「これ行って、ここ行こ！」

「うおっ？！いきなり手を掴んで走るな！」

着いた先は、絶叫系…絶叫系？！

え、無理死ぬ。乗れない

「んー」

乗るって云わないよね？ね？？

無言の圧をかけたつもりだった

「よし！乗ろ！」

終わったわ。皆、ここまで見てくれてありがとう。皆のことは忘れない。感謝しきれないよ

僕もう

気付けば終わっていた。乗った時の記憶は無い。それでいい

「やっぱり無理だったか」

「思っていたんなら乗せないでくれ」

頭がぐるぐるする

「水あげるよ」

「ありがと…」

遠慮なく渡された水を飲んでキャップを閉める

少しスッキリした〜頭も＿

「あっ新品こっちだった」

「…は？」

「それ僕の」

乱歩に限って其れは無いでしょ。

だって、これ子供でもわかるじゃん？水位が違ったり、キャップが空いてるとか…てことは

「さては、確信犯だな？」

「さぁ？」

やってやがるこの男。絶対わかってて僕に渡したな？

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