大切な人の席【江戸川乱歩】

12席、兎1匹 ページ29

鏡花side

女子会、楽しかった

またやりたい……

けどAさん、大量失血した人みたいな顔色してる

大丈夫かな？

「あ"ぁ…こんなに女子会が恐ろしいものとは思わなかったよ」

「ふふふっ善いのが沢山聞けましたわ〜」

「そうだねェ、それから定期的に聞かないとね」

な？鏡花と与謝野さんに声をかけられる

あの話、楽しかった。また聞きたい

「うん。また聞く」

「絶望かな」

その言葉にみんなが笑って、つられて私も笑う

すごく幸せ

ちらっと見えたAさんのバッグにさっきあげた兎のぬいぐるみが付いてた

嬉しい…つけてくれてた

暫く話してると、男性みんなが帰ってきた

何してたんだろう？

「？鏡花ちゃん何かいい事あった？」

「…あれ」

私は、Aさんのバッグに指を指して教える

気付いてくれたのか何時もの優しい笑顔で善かったねと褒めてくれた

今日の晩御飯、豆府マシマシにしてあげようと思う

気合い入れないと

「兄様ァ〜何処行ってたんですか？」

「ﾋｯな、ナオミ…ちょっと用があったんだよ」

「ナオミも行きたかったですわ！」

「あ、危ない所だから」

じっと見ていると、ナオミさんが気付いて手を振ってくれた

とっても仲がいい兄妹。ちょっと羨ましいな

「お兄ちゃん」

「えっ？！」

「あなたの事じゃない」

「うっ…！」

胸を押えて倒れちゃった…死んじゃった？

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