大切な人の席【江戸川乱歩】

5席 ページ22

Aside

多分、僕ずっと(⸝⸝' '⸝⸝)みたいな顔してる

そんな↗みたいに可愛い顔してないけど

「返事は？」

「うえぇ…えと、はい」

「！はいって云ったね？」

緊張していた顔とは打って変わって、子供のように明るい雰囲気を出しながら云った

ルンルンの乱歩を見ると何故か恥ずかしくなってきた

肩から下げていたバッグを抱きしめ、顔を押し付けて、嬉しいのと恥ずかしい気持ちが混ざった何とも云えない気持ちを落ち着かせるのに必死になった

「…その中に何入ってるの？」

「え？嗚呼、バッグの中？」

大したものは入ってない

乱歩の興味の引くもの(駄菓子とか)すら入ってないからね

入ってるのは

「メモ帳…ざっと20ぐらいかな？あと、ペンとハンカチと本だね」

「ふぅん、メモ帳に何書いてるの？」

「面白いもの書いてないよ。ましてや乱歩が好きそうなことなんて」

乱歩は、キョトンとした顔をして直ぐにしれっとこんなことを云った

「別に？Aといるだけでも嬉しいし。早く教えてよ」

はぁぁぁぁ？

お前？

「そうゆうところだぞ…」

「かっこいいって思った？」

ニヤついた顔をこちらに見せながら、照れもせずに彼はそう聞いた

「判ってる癖にそんなこと聞くとか、いい性格してるね」

「はっはっ！ずっと昔に気づいてる事だろう？」

嗚呼、そうだった

そうゆう奴だったな。そうゆう所も好きだがな

一つ使い古され、日に当たりすぎて日焼けをしているメモ帳を取りだし説明する準備をした

いつも以上に近い距離に居てすっごく嬉しいような恥ずかしいような

7割嬉しいで、3割恥ずかしい

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