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side 3
Aは俺の言葉に必死に首を横に振る。
「わたしは、安達さんのおかげで今ここにいます」
3『……うん』
「たくさん、感謝してるんです。
安達さんがいたから、わたしは、……本当です」
3『……うん、分かってる』
「……本当に、……好き、でした」
Aにとって、俺はもう、過去だ。
……そんなこと、分かってた。とっくに、分かってた。
「……安達さんにも、……奥さんにも、迷惑をかけてしまって、本当に、すみませんでした。
これからは、……1人で、生きていきます」
3『……きっと、2人、いや、この先もっと増えていくよ』
「え、?」
3『Aのこと、大事にしてくれるひとがいるでしょ?』
「………、はい、」
3『……A、今度こそ、幸せになるんだよ』
「……はいっ、」
3『……ありがとう、A』
「わたしのほうこそ、……本当に、ありがとうございました」
……ありがとう、A。
心から、幸せになってね。
……ごめんね、A。
幸せにしてもらうんだよ。
溢れ出した涙がAにバレないように、そっと天を仰いだ。
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きちでーす(プロフ) - 久しぶりの更新、ありがとうございます!続き楽しみです! (2022年3月6日 10時) (レス) @page25 id: 0950913df0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みさ | 作成日時:2022年1月20日 16時