故に【あんスタ】【短編集】 (ページ4)

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からっぽ失敬！」３ページ4

(長めですがこれが最後です)

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またずっと考えている間に時間が経っていたようで、
夢ノ咲学園があの戦場に巻き込んだ「ただの普通の女の子」が肩を叩く

可哀想な子

そんな印象だった

きっとアイツもおれのこと……

やめだ、やめ！

この子の話をとりあえず聞こう

なにも聞かれずに終わるなんて酷い結末だ

控えめだけど芯のある声

この子の言っていることが
エフェクトがついたように大きな事に聞こえる

いや実際大きな事なんだろう

でも、すこし、だいぶ怖いんだ

いや、おれは身を委ねるしかできないんだ

だいぶ、死んじゃいそうなほど怖い

……よし、おれは決めた

このおれを殺そう

剣を構えて、めった刺しにしてしまおう

だけど、もし、
おれの刺された身体の一部を誰かが拾ってくれたら

そう考える

誰も元のおれを知らないなんて寂しすぎる

アイツが寄り添ってくれたおれを誰も知らないなんて

目の前の「ただの女の子」に遺言でもダイニングメッセージでもどっちでもいいけど、
なにかを残しておこう

未来で待ってくれているバッハと大嫌いなモーツァルトたちに遺言を残したって、視界にすら入れちゃくれないだろうからさ

声が震えてしまうけど、さてさて

「あのな、おれの最期の言葉を聞いてくれ！

うぅ、緊張しちゃうな

じゃあいくぞ！