彼女のこと ページ6
マンションの地下にある駐車場に俺と須崎さんは向かった。
「須崎さんは運転できるのか。」
「お休みの時にしか、乗らないけど。会社は電車通勤してるんです。」
駐車場なくて。
そう須崎さんは笑って言った。
よく、笑う人だなあと思う。
でも、時々見せる笑顔はなんとなく、どことなく寂しそうな気がした。
「松野さん？乗ってください。」
その声に須崎さんのほうを見ると彼女は助手席のドアを開けて待っていた。
「いいのか、助手席？」
「何を今さら遠慮してるんですか。助手席に乗せる相手なんていませんから。」
そう笑って再度乗るように促した。
助手席に乗ると、彼女は運転席に回ってエンジンをかけた。
「どこに行くんだ？」
「近くにあるショッピングモールに行こうかと思って。」
どことなくうれしそうな彼女に俺のほうもなんとなく嬉しくなった。
「須崎さん、楽しそうだな。」
「そう、ですか？」
須崎さんがうーん、と考え込んだ。
「久しぶりに買い物に行くから、かも。」
私、社畜だから。
あ、まただ、と俺は思った。
寂しそうな、諦めたような笑み。
「須崎さんの買い物もしよう。」
服とか、ほしいものとか。
そういう、好きなものを探しに行こう。
気づくとそんなことをこぼしていた。
「あ…でも、須崎さんのお金、だけど……」
俺はお金を払わないってことに気づいてわたわたしていると、須崎さんが声を上げて笑った。
「松野さんって、ほんと、面白いね」
あ、また笑った。
今度はさっきより嬉しそうな笑顔。
少しだけ、須崎さんのことを知ることができた。
システムエンジニアであること。
車の運転が上手なこと。
優しいけど、さばさばしていること。
笑った時に、小さな笑窪ができること。
これからの生活が、少しだけ楽しみになった。
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煌(プロフ) - ふぁんさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて何よりです！更新またしていくので宜しければ今後ともよろしくお願いします！！ (2017年5月3日 2時) (
レス) id: 2662da27fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぁん - すっごいおもしろいッス！頑張ってください！ (2017年5月1日 18時) (レス) id: 5958ddd28c (このIDを非表示/違反報告)
煌(プロフ) - みかタンさん» ありがとうございますー！まだ1話しか書いてないのにコメントが来るとは思ってませんでした笑笑そう言っていただけて嬉しいですけど本当何番煎じだよってビクビクしてますよ笑笑これからも拙作ですがよろしくお願いします！ (2017年3月9日 22時) (レス) id: e7cdd2f049 (このIDを非表示/違反報告)
みかタン(プロフ) - すごく面白いです!!これからも楽しみにしています（私も占いツクールで小説を書いていますが、その発想が羨ましい限り!!) (2017年3月9日 22時) (レス) id: 0fde922cd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌 | 作成日時：2017年3月9日 1時
