幸せな休日 ページ13
朝、いつもの時間に目が覚める。
リビングに出るといい匂いがした。
「あ、おはよう。カラ松。」
声のした方を見ると、眼鏡姿の彼女がキッチンに立ってた。
「直ぐご飯できるから。待ってて。」
「……大丈夫か？寝不足だったりしないか？」
「うん、平気だよ。」
バイトでしょ、準備しておいでよ。
そんな彼女の言葉に甘えて洗面所に向かった。
ダイニングの上にはご飯とみそ汁、卵焼きと焼き魚が並べられていた。
「おお、美味そうだ……。」
「食べよ！」
最近の休日は彼女が俺が起きるより早く起きて、朝ご飯を作ってくれる。
最初は多忙な彼女の寝不足を心配したのだが、
「こういう時に料理しないと、カラ松に女子力負けちゃうから。」
なんて言うからあまり強く止めるわけにもいかず。
彼女のご飯を食べれるならいいか、と納得してしまった次第である。
「いただきます。」
席について、彼女の作った朝ご飯を口にする。
「どう？」
彼女はいつも心配そうに尋ねる。
「うん、美味い！」
俺がそう言うと、ほっとした顔を浮かべた。
「うーん、カラ松のご飯のほうが美味しいんだよなあ…。」
彼女が時折見せる不貞腐れた顔はいつもの彼女より子供っぽく見せる。
「Aのご飯本当に美味いぞ。」
バイト頑張れそうだ、そう笑って言うと彼女は顔を真っ赤にした。
「っ…それは、よかった。」
そして小さな声でそう言った。
「あ、今日午後まででしょ？バイト。」
「ん？ああ、そうだが。」
彼女は朝食を食べ終えた俺の返事を聞くと、キッチンに駆けて行った。
「A？」
「はい！」
彼女が俺に渡したのは、黒い包みだった。
「お弁当！いつも、作ってもらってるから今日は私が作ったの。」
思わず固まってしまった。
お弁当を作ってもらえるとは思ってなくて、思わず顔が熱くなる。
「いいのか？」
「何言ってるの。持って行って。」
俺は彼女から包みをもらった。
「ありがとう。本当今日はバイト頑張れそうだ。」
きっと、この包みの下にはいつも通り可愛いカードが入っているのだろう。
そう思うと、口角が緩む。
「夕飯は、一緒に作ろうか。」
「そんな、バイト終わり疲れてるのに…」
「俺が一緒に作りたいんだ。だめか？」
そう言うと、彼女は再び顔を真っ赤にする。
「……わかった。」
「じゃあ、行ってくるな。」
「いってらっしゃい。」
彼女に見送られて、家を出る。
幸せな休日だ。
この時はそう思っていた。
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煌(プロフ) - ふぁんさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて何よりです！更新またしていくので宜しければ今後ともよろしくお願いします！！ (2017年5月3日 2時) (
レス) id: 2662da27fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぁん - すっごいおもしろいッス！頑張ってください！ (2017年5月1日 18時) (レス) id: 5958ddd28c (このIDを非表示/違反報告)
煌(プロフ) - みかタンさん» ありがとうございますー！まだ1話しか書いてないのにコメントが来るとは思ってませんでした笑笑そう言っていただけて嬉しいですけど本当何番煎じだよってビクビクしてますよ笑笑これからも拙作ですがよろしくお願いします！ (2017年3月9日 22時) (レス) id: e7cdd2f049 (このIDを非表示/違反報告)
みかタン(プロフ) - すごく面白いです!!これからも楽しみにしています（私も占いツクールで小説を書いていますが、その発想が羨ましい限り!!) (2017年3月9日 22時) (レス) id: 0fde922cd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煌 | 作成日時：2017年3月9日 1時
