種族の違い ページ7
棺を開けて、目に写ったのは顔に巻かれた包帯と黄色に近い明るい髪だった…
《あー、死んでる…この人キョンシーかぁ》
魔界にも、一応は生死の概念は存在する。
キョンシーやゾンビは元人間であり、[人間として死んだ]その体を使っているため生死で分けるときに[死]であると区別される。
悪魔や小悪魔などは[生]と区別する、悪魔や小悪魔は魔界で生まれるためここでは[生]なのだ。
それに当てはまらない例外もいるが…
基本、魔界に寿命という概念はない。
人や、化け物は誕生の時、glim{グリム}と呼ばれる命の灯火を体に与えられる。
人間はその灯火を永久的に受け入れることのできる体として生まれることがないため寿命があるが、魔界の者はglimに耐えられる体を持っているため寿命がない、というのは魔界の一般常識のようなものだ。
ーーーーーー
『もしもーし、あの〜貴方のお友達?が凄く焦っているみたいなんだけど…起きられる〜?』
と声をかけると伏せられていた瞼が開き髪と同じ、宝石を嵌め込んだかのような瞳が現れた
《うわぁ!キラキラしてる!》
と感動しながら顔を見つめていると
「…そんなに見られると照れるわぁ、あんまり見んといてや〜」
彼の口から耳障りのいい声が零れた
『あ、ごめんなさい。目が凄く綺麗だったからつい見ちゃったの!赤い人〜、黄色さん起きたよー!』
すると赤い髪の青年が起こしていたらしい、紫の髪の青年とその奥で棺に座っていた茶色い髪の青年が吹き出した
「ふっははははっ!赤い人ってなんや、あははっ」
「おぉ、くくっ、起きたか黄色さんっ…ははっ」
笑い続ける二人に赤い髪の青年が声を上げる
「そんな笑う!?そう言えば自己紹介してなかったわ!!」
「名前も知らん奴相手に…この子本当よう逃げなはらんでしたねぇ」
まぁ、そういう感覚を持たないのはこっち(魔界)じゃ珍しくないのかもですけどね…
と黄色い髪の青年が呟く
「なら礼の前に、自己紹介からだな…」
茶色い髪の青年の一言で全員が話すのを止め、こちらを向いた
それぞれの違いーー
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作者名:空木 | 作成日時:2019年3月1日 3時