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いつものように吉原に来た晴太を捕まえ、裏路地に身を潜めた。
晴太には大変驚かれたが、大人しく後ろをついてきてくれた。
「なんだって⁉おいらの金が使いこまれてただって⁉」
喜杏達が集めた情報を伝えると晴太は更に驚愕した。
今まで命懸けで集めた金も、お登勢の所で真面目に働いて集めた金も、あの店番に全て使われていたのだ。
元々店の金にも手を出すような男だったらしく、遊女の間では少し有名になっていた。
その事実を耳にした晴太は頭を抱えた。
「なんなんだよ!!!心入れ替えて真面目に働いていて金貯めてたのに全部無駄だったのかよ!!!」
「無駄じゃないよ。僕らちゃんと見てたよ」
悲痛な叫びに新八は即座に否定した。
ここ数日、晴太が真面目に働いて得たお金も、お客さんからの信頼も全て無駄なんかではない。
お登勢の言葉がしっかりと届き、恥ずかしくない姿をお母さんに見せるために一生懸命だった晴太の姿は喜杏達が見ている。
それはひっくり変えることはないのだ。
それでも晴太は悔しかった。
「……でも何の意味があるんだよ!!!
金がなきゃ母ちゃんに会えないんだ……!!!」
持っていたお金を地面に叩きつけ、散らばった。
その瞬間、首元が引っ張り上げられた。喜杏が胸倉を掴んだからだ。
「叫んで、何の意味があるの」
「ぐっ……、だ、だって」
泣きそうになるのを我慢し、晴太は睨み返した。
悔しくて、悔しくて、こんな気持ち誰も分かる筈がない。踏みにじられた気持ちに涙をこらえるので精一杯だった。
喜杏は真っ直ぐ晴太の顔を見た。
「お母さんに会いたいって、そう言った。
私達が何でここにいると、思うの」
「え……」
「喜杏の言う通りネ、晴太」
胸倉を掴んでいた手を放し、神楽達は立ち上がった。
「これで堂々とお母さんに会いに行ける」
元々母親に会うのに金が要るなど可笑しな話なのだ。
会いたいときに会うのが親子である。
そして、晴太が万事屋と出会い、お登勢の所で働いた。お登勢が、卑怯な男の一杯の為なんかに働かせるわけがない。
神楽は散らばった硬貨を一枚拾い上げた。
「依頼金はしっかり万事屋が頂いたヨ。友達料金で許してやる」
晴太の涙はその言葉で引っ込んだ。
「む、無理だ!!!金もなしに花魁に会うなんて……。ここは地上の常識が……」
「「っ!!!」」
晴太の言葉を遮って、喜杏達は階段から飛び降りた。その瞬間、元々いた場所には大量の苦無が突き刺さった。
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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます！遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (
レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません！続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます！一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます！成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります！よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見ソウ | 作成日時：2023年9月4日 0時
