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神楽を軸に、新八と喜杏は薙刀を振り回す。
少しでも隙を作れれば上々。
重い一発を入れる必要はない。ただ相手を疲れさせれば、少しでも削ることが出来れば。
「うぉぉぉぉ!!!」
「っっ!!!」
新八が正面から、神楽は真上から、喜杏は横から各自武器を振り下ろす。
しかし、避けられ受け止められの繰り返し。
何度死角から狙ったつもりでも、的確に番傘で受け止められる。
神楽の攻撃も簡単にいなされ、そのまま喜杏の方へと投げ飛ばしてきた。
一緒に襖を突き破って隣の部屋へと転がり落ちる。
「がはっ、……っ、げほっ」
背中も、畳で擦った腕も痛む。荒い息と頬を伝う汗が気持ち悪い。左手で拭い、すぐに体を起こした。
「おいおいどうした。あらびきウインナーはまだできんのか」
阿伏兎は息一つ切らしていない。余裕の笑みを浮かべ、見下してくる。
……歯が立たない。
隣で唾を吐きだした神楽までも子供のじゃれ合いのように軽くあしらわれている。
同じ夜兎族でも経験の違いだけでここまで実力差があるなんて。
「夜兎は義理や金では動かねぇ」
夜兎が動くとき、それはその場に血の匂い煙る戦場があるときだけ。
そうかつて昔は言われ続けてきた。だからこそ、彼らは宇宙最強の戦闘民族と称されるのだ。
「ま、そう言われたのは昔の話でね。なんてことはねぇ、こっちゃ仕事でここ来てるだけだ」
阿伏兎は神楽を再び見下ろした。
まだ幼い子兎がこの場にいる理由。仕事ってわけでもなさそうだ。
ならば考えられる理由は一つ。
「お前さんらはあの餓鬼を助けるために、って所か」
「……どこアルか」
神楽の問いに阿伏兎は疑問を浮かべた。
「神威は……。馬鹿兄貴はどこにいるって聞いてんだよ」
漸く気付いた。この子兎が誰かに似ているかと思えば。
「そうかお前さん。団長の……」
神楽はゆっくりと阿伏兎との距離を保ったまま、歩き出した。
「参ったねこりゃあ。こんな遠い星で偶然にも同胞に会えたと思ったら。
よりにもよって敵方。しかも仲間の縁者とは……」
凝り固まった肩を鳴らし、溜息を吐く阿伏兎。
神楽は口元に着いた血を拭った。
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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます！遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (
レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません！続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます！一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます！成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります！よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見ソウ | 作成日時：2023年9月4日 0時
