貴方の傍に-9-【銀魂】

少年、少女溢れる想い401 ページ1

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太 陽

誰でも隔てなく皆を照らしてくれる。
時に雲に隠れても、地に沈んでも、必ず光は照らされる。


背筋を伸ばして見上げよう。手を伸ばそう。

明けない夜などないのだから。




吉原炎上篇 開幕




まだ日も沈んでいないというのにスナックお登勢では笑い声が響いていた。

銀時が連れてきた“晴太”という少年の戯言にお登勢やキャサリンは笑いが止まらず、晴太は居心地を悪そうにしていた。

喜杏と大して変わらない年頃の少年が色街一番の花魁を買う為に掏りをしていたらしい。
狙われた銀時は逆に晴太から財布を掏り、パフェを奢らせ事情を聞いたところ、地下遊郭吉原桃源郷に連れていかれた。

成人男性がいくならまだしも、少年である晴太は浮いた存在である。

晴太は日常と化した掏った金を店番の男に渡した。

理由を聞くと、「女を買うんだよ」と当たり前の顔をして言った晴太を銀時は連行してきたのだ。

「笑い事じゃないですよ。ここ健全ですよ。そんなこと許されると思うんですか」

「細かいこというなヨ新八。餓鬼に越されて焦ってるアルか」

「あ、焦ってねぇしゅ!!!」

いや、思いっきり噛んでる。図星だ。
神楽は更に追討ちをかけるが新八は一つ咳払いをした。

「いやだからね、こんな子供が色街出入りして且つ女性を……」

「餓鬼じゃねぇ、晴太だ〇貞」

「てめぇ今なんつった!!!!!」

新八の地雷を踏み込んだ晴太は胸倉を掴まれた。喜杏が落ち着け、という意味で服を引っ張るが、新八の目が怖い。

「落ち着けヨ、〇貞」

「神楽、それ以上は……」

「ぎゃあぁぁぁ!!!」

「まぁまぁ離してやれよ新八」

銀時の静止で漸く胸倉を掴む手は降ろされ、晴太は軽く咳き込んだ。

「餓鬼の分際で女に興味持つなんざ大したもんだ。
しかも女買う為に金集めようと掏りをやってたとは末恐ろしい餓鬼だぜ」

「……だって孤児のおいらが金を手に入れる方法っつったら掏りしかなかったんだよ」

そうまでして金を手に入れたい理由。ましてやそこらの物を買うわけでもない。
花魁を買う。

吉原一の花魁を買うとなると、その額は莫大なものとなり、一般客が買うことはほぼ不可能に近い。

その日を生きるのも崖っぷちの晴太が何故こんな事までして色街一番の花魁を買おうとしているのか。

銀時が気になったのはその点であった。
正直に話せ、と言うと晴太はぼそりと話し出した。

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