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顔の広いお登勢なら何か分かるかもしれないと銀時達は足を向けるが。
お登勢は首を振った。
「とんと見かけない面だねぇ」
「名前は黒板八郎」
「名前なんざこのかぶき町じゃあってなきようなもの。
名前も過去も捨てて生きてる連中が多いからねぇ」
お登勢の言葉が気に食わなかったのかおばちゃんは声を上げた。
「うちの子が胡散臭いことでもやってるっていうの?
冗談じゃないよ!!!八郎はそんなんじゃない!!!」
新八は宥めるが、意味がなかった。
幼い頃から真面目で賢く、孝行者で自慢の息子だったそうだ。
しかし、五年前単身で江戸に出たが父親が急死し、貧窮してしまった。
「だからあの子、何とかするために……ぐすっ、絶対……
トレジャーハンターになるって……」
「「どこが賢い子!?」」
喜杏は写真を見る。特徴は母親に似たのか分厚い唇位だった。
「手分けして探す……?」
「だな。まぁ、まずは情報収集だ」
「ですね」
「一時間後にまたどっかで集合でいいだろ」
「了解アル」
_________________
銀時が情報屋をあたると述べていた為、新八と喜杏は二手に別れ、写真を片手に聞き込みを開始したが何も手がかりは見つかることはなかった。
"名前も過去も捨てて生きている"
お登勢の言った通り、黒板八郎という名もこの写真もほぼ無意味なのかもしれない。
一度新八と神楽と合流し、銀時を探していると非〇法の闇医者が経営している病院から銀時が出てきた。
「あちこち情報屋あたってもアタリがねぇんで視点変えてみたが、どうやら孝行者の息子は親から貰った面、二、三度変えてるな」
しかも、ここだけでなく色々な場所で顔を弄り回しているようだ。
やはりこの写真も名前も当てにならないものだった。
「銀さん、あまり深く突っ込まない方がいいかもしれないですね。
お母さんも何も知らない方が……」
「それは俺達が決めるこっちゃねぇ。兎にも角にもまず、孝行息子見つけてからの話だ」
「整形でも、骨格まで中々変わることないから……」
マジックペンで写真を弄りまくる。結果、超特大のアフロ、繋がった眉毛、長く伸びた鼻毛……化け物のような絵が完成した。
いるわけが無い。ネバーランドあたりにはいるかもしれないが、生憎そんなものない。
諦めかけた瞬間。
「オス、オラ八郎。……あ、はい迎えに参りますんで」
超特大のアフロから携帯を取りだし、弄りまくった写真と瓜二つな人物が銀時達を横切った。
……あ、いた。
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月見ソウ(プロフ) - 真代さん» 真代さんお久しぶりです!祝ってくださってありがとうございます。柳生篇はギャグも多いのに考えさせられるお話ですよね。それを表現出来てるか不安ですが、楽しんで貰えたら嬉しいです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2021年5月6日 12時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - ください! (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - 「貴方の傍に」シリーズ、一周年おめでとうございます!!物語は現在、柳生篇ですね。守りたいもの、取り返したいもののために、強敵と戦う話ですが、この戦いを通して、どう変わっていくのか、また、主人公はどうなっていくのか、楽しみにしてます。連載頑張って (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - みうしさん» コメントありがとうございます!1年も書いときながらまだ4巻なんで、申し訳ないです。嬉しく思ってくれること、本当にありがとうございます。今のうちに話を更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします。 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 一周年おめでとうございます!一年間も書き続けてくださっている月見ソウ様には感謝の気持ちでいっぱいです。この作品が更新される度に嬉しくなっています…wこれからの話の展開も楽しみです。更新陰ながら応援しております! (2021年4月28日 0時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年12月11日 23時