36 ページ36
『決めた。
わしゃ宙に行くぜよ』
いつであったか。
戦ばかりで曇り空しか見えなかった空は久々に雲ひとつない綺麗な夜空が男の目に映る。
男は満天の星を見上げ、決心した。
『これからはもっと高い視点をもって生きねばダメじゃ。
あの人も言っておったからの。
だから、わしゃ宙に行く』
こうしているうちにも天人は地球に来ているのだ。
男は分かっていた。
時代の波に逆らえないことに。
『宇宙にでかい船浮かべて、星ごと掬い上げる漁をするんじゃ』
横にいる男にも問いかけてみるが、いびきをかきながら寝ていた。
あれから何年たっただろう。
元気にしておるのか、それとも……。
男はハッと目が覚めた。
「はは、危ない。
あまりにも暑いじゃけん、昔のことが走馬灯のように駆け巡りかけだぜよ。
何とか助かったってのに危なかー」
「助かっただぁ?
これのどこが助かったってんだよ……」
________________
操縦室が爆発し操縦士が負傷。
絶体絶命と思ったその時、銀時は思い出した。
目の前で白目むいて倒れている男のもじゃもじゃ頭を鷲掴み、操縦室へと駆け込む。
鷲掴まれた痛みによって男は目が覚めた。
「誰じゃー!?わしを何処に連れてくがか!!!」
「てめぇ確か、船大好きだったよな!?
操縦くらい出来るだろ!!!」
男は何故知ってるのか疑問に思った。
自分を鷲掴んでいる男を見てみると、嘗て共に戦った坂田銀時……。
「金時ィィィ!
金時じゃなかか!!!」
懐かしい男に会えたことに酒が飲みたくなった。
手を叩き酒を用意しろ、というこの男の顔面を勢いよく操縦室の壁にぶつける銀時。
「銀時だろうが!!!
ほら、早く舵とれ!」
後ろから遅れてやってきた新八達。
あの人に任せても大丈夫なのかと聞いてきた。
「昔の馴染みでな、頭はカラだが無類の船好き。
銀河を股にかけて飛び回ってるやつだ。
"坂本辰馬"にとっちゃ船動かすなんざ、自分の手足動かすようなもんよ」
カチャリと辰馬はサングラスを上げ、準備万端だと言いハンドルを握った。
と思いきや、握ったのは倒れていた操縦士の足。
ピキリと頭に全員何かが走ったのは事実だ。
船を操縦できると思っていた辰馬はこんな大きな船を動かすのは初めてだと言う。
再びピキリと頭に何かが走った。
「銀ちゃん、舵こっち……!」
「おし!」
舵をとろうと試みるが辰馬によって舵がポッキリと取れ、結果ババアの肌みたいな星に不時着してしまった。
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時