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半分以上沈んでいる太陽によって辺りは橙色にと変わっていく。

喜杏は帰る銀時の背を追いかけた。

あーほんと。こいつはいい子だなー。
それに比べてこいつらは。

「あーダメっすね。ホント、フラフラして歩けない」

「日ぃ浴びすぎてクラクラするヨ。おんぶぅ」

何がフラフラだ、おんぶだ。

「何甘えてんだ腐れガキ共。
誰が1番疲れてるのか分かってんのか。
二日酔いの上に身体中ボロボロでも頑張ったんだよ銀さんは。

こいつを見習え。睡眠不足のやつが走り回って頑張ってんだぞ!」

二日酔いは自分のせいでは……。
と思いながらも喜杏は声には出さない。

それでも神楽と新八は駄々を捏ねていた。
喜杏は後ろをチラチラと見ながら銀時の背中についていった。

「二人、置いて行っちゃうの?」

「……」


後ろではまだ神楽からおんぶー、だっこーとかと聞こえる。
プラス横からの視線がとても痛い。

そんなウルウルした目で見るな。

実際喜杏は純粋に疑問だっただけであり、銀時が疲れてることによってそう見えただけである。
銀時はイライラし、やけくそに叫んだ。

「いい加減にしろや、コラァ!

上等だ!
おんぶでもなんでもしてやらぁ!!!」

そう銀時が言った瞬間、二人は銀時に向かって全速力で走り出した。
喜杏はその景色に目を軽く見開く。

「元気爆発ゥじゃねぇか、お前ら」

新八はおんぶをしてもらい、神楽は右腕で担がれていた。
喜杏はその様子を見て、

あぁ。これが"甘える"なんだ。

と、とても冷静だった。
少しずつでいいと神楽が昨日言っていたのを思い出した。
なら自分なりに甘えてみよう。

喜杏は手を伸ばしぎゅっと新八を支えている左腕の袖を掴んだ。
銀時はそれに気づき、喜杏なりの寄り添い方だと思い、それを自分は見逃してはならない。

「新八、自分でしっかり捕まっとけ」

新八は銀時の腰に足をしっかり巻き付け、銀時も少し腰を前にと倒す。
そして空いた左手は喜杏の手にと重ねた。
ぎゅっと握った手はとても小さく、少し冷たかった。

「銀ちゃん、私ラーメン食べたくなってきたヨ」

「僕、寿司でいいですよ」

「馬鹿やろー。誕生日以外にそんなもん食えると思うなよ」

背中に感じる暖かさ。

右腕に感じる重み。

左手には小さい手が。


「おもてぇな、ちくしょー」


その様子を見た桂は優しく微笑んだ。

銀時、お前の荷物は両腕でも足りないではないか。


「今度はせいぜい、しっかり掴んでおくことだな」


その荷物(子供達)を。

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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

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