花弁がみっつ ページ4
◆◇
『?知りません』
刀なんて、今の世の中違法じゃないっけ?
私の言葉にお婆さんは眉間に皺を寄せた。
「この刀はね、"日輪刀"って言うんだよ。あんたの傍に落ちていたんだ」
『にちっ……日輪刀?!』
何度も、漫画の中で見た言葉に目が飛び出そうだった。
なんで。そんなの、まるで、あの漫画と一緒じゃない。
「あんた知ってるのかい?!」
『日輪刀って……持ち主によって色が変わる唯一鬼を殺せる刀の日輪刀じゃないですよね?!』
「知ってるじゃないか!!」
バシッと頭を殴られた。
え、酷くない?まだ会って、数分の人間の頭殴ったよこの人。
『ち、ちなみにですけど今って……令和元年ですよね?』
「レイワぁ?なんだいそれ?今は大正だよ」
『た、大正……』
間違いない。ここは鬼がいて人を喰らう正真正銘、"鬼滅の刃"の世界だ。
頭をガツンと殴られた様な衝撃をだった。
せっかく、生き延びたのに。私は世に言う、転生トリップをしてしまったらしい。
「隊服を着てないってことは、あんた鬼殺隊じゃないだろ?」
『あたりまえじゃないですか!!私、あんな強そうに見えます?!』
「ほぉ……鬼殺隊のことも知ってるのかい」
『げっ』
さっきまで柔らかかったお婆さんの瞳が細く鋭くなった。
「あんた……何者だい?」
一般人ですぅぅぅ!!正真正銘、純日本人です!
思わず叫びそうになったのを堪え、お婆さんと目を合わせる。
『あの、こんなやつの言葉信じられないと思うんですけど……私ほんと、怪しいヤツじゃないんです!!』
早口でまくしたてる私に呆気に取られているお婆さん。
私もびっくりだよ。いくら好きだからって、こんな3歩歩けば死ぬような世界にきたんだから。
「お、落ち着きな!あんたの言い分はよくわかった!この日輪刀はね、色が変わってない。つまりは、まだ誰の持ち物でもないんだよ」
『はぁ……』
「そんな刀と一緒に落ちていた、あんたを外へ放り出すわけにもいかない」
『えっ、もしかして』
「あたしの言ったことを、全部守るならあんたをここに置いてやってもいい。どうだい?」
『ぜひお願い致します!!』
たぶん、お腹に怪我してなかったら土下座する勢いだった。
この、世界に来て初めて心が安心した。
行くあても、知り合いもいないこの世界でどうなるのか不安だった。
目の前のお婆さんが女神かなにかのように見えてきたよ……
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時