花弁がよっつ ページ5
◆◇
そんなこんなで始まった私と華咲生美さん(名前を教えてもらった)との生活。
正直に言おう、地獄だ。
華咲さんの家はガチの山奥にあって、食べ物を買いに行くため毎日山と町を往復していた。
しかもこの山……何故か罠が張ってあって通り抜けるだけで一苦労。
高校時代をダラダラと過ごしていた私だ。翌日とんでもない筋肉痛になったのは今でも覚えている。
そして、華咲さんの家では花や生き物をたくさん育てていた。……たくさんってレベルじゃないな。
もうどこから壁なのかわからないレベルの尋常じゃない花と、鳥に猫に犬に猪なんてものまで集まってくる裏手の庭。
そこで、約束されたことは2つ。
1つは、花1つ1つに毎日水を"丁寧"にあげ続けるのを忘れないこと。
雑でいいじゃんって思うでしょ?そんなことしたら、地獄見るんだよマジで。
もう1つは、動物1匹にさえ餌を与え忘れないこと。忘れようものなら、死ぬね。
お察しの通り、一番の問題は華咲さんだ。
「おいコラ、A!!さっさとしな!ちんたら遅いんだよ!あと1分遅れたら、晩飯抜きだよ!」
このクソババ……間違えた、このお婆さんはとんでもない暴君だった。
買い出しの時決められた時間までに戻らなければ、ご飯抜き。口答えすれば、鉄拳ときた。
しかも、顔が綺麗な分怒ると迫力が出てめっちゃ怖い。
そんな社畜のような日々を過ごして、半年経ったくらいの頃。
「Aちょっと来な」
クイッと顎で家の裏手の方をさす、華咲さん。
え、なにその体育館裏に呼び出す番長みたいなノリ……怖いよ華咲さん。
ビクビクしながら、裏手に出るとポイっと何かを投げられた。見れば、木刀だった。
「あんたはこれから毎日朝と夕方の1時間、その木刀で私に打ち込んでおいで。攻撃が1発でも当たればあんたの勝ちだ」
『出来なかったら?』
「罰として腹筋、背筋、素振り1000回と山往復しておいで」
『うそでしょ?!なんで?!』
「いいからつべこべ言わずやりな!!」
私は一般ピーポーだよ?もちろん剣道なんてやったことない。
『なんで私がこんなこと……』
ため息をついてから木刀を握りしめ、めちゃくちゃに華咲さんに飛び込んでいく。
もちろん攻撃なんて当たるわけもなく、パパンと小気味のいい音を立てて木刀が手から離れた。
いつの間にか華咲さんも木刀を持っていたらしく、さっきはそれで弾かれたようだ。
「遅いんだよ、寝てんのかい?」
……この、クソババア!!
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時