[完結]それでもあなたが、【urt】 (ページ6)

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「うっま」

「なんで唐揚げに……重い…」

「じゃんけんに負けるAが悪い」

「くっ…あの時チョキ出さなかったら…」

結局、お昼ご飯は唐揚げになった。

定食屋へ入って、2人とも同じ唐揚げ定食を頼んでそれを食べている。

本当はパスタが食べたかったけれど、モグモグと目の前で唐揚げを頬張る好きな人の姿に、もうどうでも良くなってきた。

じゃんけんに負けたのは私だし。

唐揚げを口に放り込むと、それはそれはジューシーで。

「…美味しい」

悔しいけど、悔しいけど！！美味しい。

それに、

「ん、塩もタレも美味い。…あ、サラダやるよ」

美味しいと喜んでるこの顔が見れたから、満足かな。

「ポテサラ相変わらず嫌いね」

「逆になんで好きなんだよ」

「小さい頃から好きだし」

「へー…変なの」

「それは浦田でしょ」

私のお皿に乗せられたポテトサラダは、綺麗に原型を留めている。

お箸で一気に掴まれたからか、一部だけ凹んでいた。

自分のお箸についたポテトサラダをほんの少し舐めては、うぇ…まず…と呟く浦田。

何度見たか分からないその光景に、ふっと笑った。

「残ったやつ食べて。はい」

「んぐっ…！ちょ、箸突っ込むな」

浦田はお皿に残っていたポテトサラダを箸ですくい、それを私の口に突っ込んだ。

うーん…普通に美味しいけどな。

「代わりに唐揚げ」

「絶ッ対あげないから」

「ケチ」

「じゃあポテサラ返す」

「いらない」

浦田はさ、気づいてないの？

さっきの間接キスだけど。

…気にもしてない、か。