ビワーガノ・デ・ウラク【あんスタ！】 (ページ24)

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暗闇,023 ページ24

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「え～、あの、それよりもですね～」

「お、おぉ…。急に冷めたなっ？」

「この子のおなまえ。どうしましょうか、できれば会長さまに決めていただきたいのですが～」

「ほう…」と考えだした零。意外にこういうのは乗り気なようだ。ついには『ユニット』ソングの鼻歌も歌う始末。

「ジェノサイド(皆殺し)とかどうじゃろ。闇の眷属っぽい感じで良いと思うんじゃが、Aはどう思う？やはり、無理があると思うか？」

「じぇのさいど～……？」

「ふむ、なるほど」と零の提案を親身に汲み取る彼女。その反面、冗談半分で言った零はタジタジになる。えっ、まさか本当にジェノサイドにならないよね…？みたいな感じで。

「はい。あなたらしくて良いと思いますよ、ジェノサイド。うふふ。そう思えば愛着が湧きますよね。」

「ほ～らジェノサイド、わたしのふえラ＊ネをすこし分けてあげますね……♪」

「……え。」

いくら自分のことを尊敬しているとはいえ、今のは漫才師でいう『ボケ』だ。ボケをボケで返すようなことはせず、必死になってでも、ここは『ツッコミ』が欲しいところなのに。

挙げ句の果てに、動物にふえラ＊ネを渡そうという奇行を走る人間。普通はいないはずだ。零はますます分からなくなっていた。彼女はこのウーパールーパーを愛しているのか、どうなのか。

(こいつはこのウーパールーパーをどうするつもりなの⁉俺に構ってもらいたくてわざとあげようとしてる？それとも普通に『素』で言ってる？)

(ーーーどっちにしろ超怖いんだけど‼‼)

もはや零の方が『素』になるくらい、震えきっているけれど。それは恐らく、第三者の視点から見ても恐ろしいものなんだろう。その『意向が読めない』というのは。実に厄介なのだ。

「ふ、ふはは…。Aはボケが上手いのう、芸人さんになれるくらいじゃ。じゃあ我輩もその波に乗ってそのふえ＊ムネを貰っちゃおうかのっ⁉は、ははははは！」

「へ？ボケとか芸人とか、なにを言ってるんです？わあぁ～、そのふ＊ラムネはジェノサイドのために用意してたのに～……」

「ははは、もうボケは結構じゃぞいっ？だからその菓子を我輩におくれ。そしてジェノサイドを解放しておやり。ふ、ふははは…」

陽が落ちようとしているなか、魔王はどんどん衰退していく。まるで目の前の彼女に精気を抽出(ドレイン)されているかのように。ただただ疲れきっていく。可哀想に。