ビワーガノ・デ・ウラク【あんスタ！】

暗闇,013 ページ14

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「あ。ああっ？あ〜…」とボイストレーニングをする声が聞こえる。廊下を西に向かって、そこだけ少し廃墟っぽく見える西階段まえ。アイドル科の棟でも、幽霊やらなんやらでズブズブな状態である。




「駄目だ、これじゃ低すぎるよな。もっと優雅に『Knights』っぽく！！」


「ぎょっ⁉びびりましたよ、まったく？こんなところで作曲をするとは何事ですか〜。ひさしぶりですよね、『怪人えっくす』……♪」




「は？たしかお前、ずっとレイに追いかけ回されてた………ダークマター！！おっひさ〜☆」




『ダークマター』は彼女のキャッチコピーでもある。昨年度、学院の生徒会長が名付けたらしいが、その真意は未だ闇の中だ。



聖女とまで謳われる彼女に、暗黒物質(ダークマター)とは。一体どんな意味なのだろうか。




「グエッ……首絞めんなよ、も〜。そんなに気に触るようなら、当時からもっと色んなことに興味を持っとくべきだったな？大失敗〜っ☆」




「ふはははっ☆自縄自縛すぎる！！」




彼女はレオのペチンと頬を叩く。弾(はじ)かずに、ペトリと手のひらを優しく頰につける感覚で。



自縄自縛___。



彼女も意味くらいは知っているようだ。自分の言葉で、後々自分自身が苦しめられるという。別名『自業自得』または『ざまあみろ』にも関連される用語。





「既にきまったものに、ごちゃごちゃ言いませんが。それより『たしゃ』の目線からもわかりましたかね？追いかけまわされてたって…」




「オレから見て『よっぽど』ってくらいなんだから、相当ヤバかったんじゃないの？今思えばレイが追っかけたくなるのも分かるかも！」



「懺悔のうた〜、ふふんふふ〜ん☆」



「あ〜ちょっと。めいわくでしょうから、しずかにしましょうね。人にめいわくをかけてはいけないんですよ。お口ちゃーっく……♪」




(うれしいものですね、わたし会長さまの『ひまつぶし』になれたんですから。だったら最高。いわいの宴、いえーい………)

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