暗闇,012 ページ13
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「あ〜…。またそんなもの飲んで、おくちが汚くなってますよ。アイドルのくせに」
「えっ、どこどこ?一応我輩、そういうこと気にするんじゃけども。A舐め取って〜」
「し〜ま〜せ〜ん〜……」
「ふきふき〜」と自前の効果音と共に、彼女はハンカチで零の頰に付いたトマトジュースを拭き取る。こうして見てみると、血を吸った後の吸血鬼のようだ。世にも恐ろしい。
「おぉ……というか、おぬしハンカチとかちゃあんと持っておるんじゃのう?流石は我輩の妹じゃ。『女子力高めっ☆』じゃの〜」
「なんですか、その一発ギャグは…。これはわたしのものではありませんよ。かりものです、なまえを聞いたらきっとおどろきますよ〜」
「んん〜っ?誰かのう、白のレースが付いとるし……斎宮くんっ?それとも転校生の嬢ちゃんっ?」
「ぶっぶ〜。どれもちがいます〜」
さあて、どれでしょうか〜。
まるでなぞなぞをする子供のように、ケラケラと楽しんでいる彼女。実際とても楽しそうだ。クラスでも一人ぼっちの彼女は、そうやって話をする相手がいるだけで嬉しく思うほどだ。
「せ〜かいは、」
「ねく…てんしょういん えいちでした〜」
「天祥院くんな。一瞬『根暗』って言いかけたじゃろ?駄目じゃろそういうのは。子供の躾はしっかりしておけと、我輩あやつから連絡を受けたんじゃぞ……?」
「それならわたしも聞きましたよ〜。なぁんか、会長さまがわたしのことを『妹よばわり』して回ってるとかどうとか。ねつれつ〜…♪」
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日向サク(プロフ) - ありがとう〜 (2017年12月14日 18時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
しょーり - サイコー!! 大好き!! キュンキュン!! (2017年12月14日 18時) (レス) id: d8a6f4a6f4 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - とってもいいです!!最高です!!応援しています!更新頑張って下さい! (2017年10月17日 1時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク | 作成日時:2017年9月16日 10時