【あんスタ】*求めてやまない。*２ (ページ8)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:10,404 hit

５６話ページ8

・

「お前は、今苦しいのか？」

「え……？それはそう、かも。だって、」

「あーあー。別に言わんでいい、言わんでも我輩は分かっておるから。だって我輩は常に苦しいんじゃもの。」

「すぐに目移りする」と呆れた顔で、ため息をつかれる。先輩も同じ気持ちかぁ、私と一緒なんだね。そっか。それを聞いてちょっと落ち着いたかも。

「ちょっとだけ、甘えてもいい？ぎゅってしたい。それと、先輩をめちゃくちゃにしたいの。えへへ、だいすきの表現～……♪」

「ははは。さすがに経験豊富じゃのう、何処ぞのイケメンのようなことを言いよるわい。おぉ……そう強く抱き締めんでもよいのに。」

「ーーーあぁ、久方ぶりの食事じゃ……♪」

ぎとぎとした粘着質な紅(くれない)が私の身体を舐めまわす。それを全身に欲するかのように、私は立ったまま抱かれた我が身を思いっきり外側に反らす。ネクタイが、ボタンが、背徳的に強引に、むしり取られていく。

「はむ、はむ。んん、そこくすぐったい。あぁ朔間先輩の匂いが広がっていくね……♪」

「くく、それだと凛月でもいいんじゃな？んっ、はぁ、まだ足りね～のか？」

「んふふ、ぜーんぜん足りないよ……んっ」

返事を隔てて、なおさらキスに拍車が掛かる。何が誰のくちびるか、これが何なのか、それすらも曖昧になるほど。先輩のプルプルなくちびるが強引に押し付けられて、こんなにも愛しいの。