２話〜奇妙な話を聞かせて〜 ページ3
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「俺様も行くっての！今日こそはお前より先に吸血鬼ヤロ〜をメタメタにしてやるよ！」
「ふっ……相変わらずだね、晃牙ってば。朔間先輩は学院でも随一の地獄耳なんだから」
「あんまりこっちが不利になることをほいほいと言うんじゃないよ、バカわんこ」
「けっ！ほんと食えねーヤツだなお前は！」
きゃんきゃんうるさいよ。早く部室に向かわないと朔間先輩が起きちゃうでしょうが。ちゃっちゃと急げっての。
「つか、お前は？Aは準備しなくていいのかよ？」
「ん？あぁ別にいいよ。レコーダーと携帯持ったから、正直他は何もいらないんだよね」
すると、前を歩いていた晃牙がすごい勢いで後ろを振り向いた。まあ、予想通りって言えば聞こえは良い方だと思うけど。
「は？携帯はともかく、なんでレコーダーなんて持ってくんだよ。お前いつも練習サボってんじゃね〜か」
「晃牙〜…普通そういうの聞くかなぁ？秘密にしてあげたいっていう私の善意を無駄にしないで欲しいんだけど」
これを言った瞬間、晃牙の顔色が悪くなったのはこの際大目に見るとしよう。私は丁寧にイヤホンでレコーダーと携帯を巻きつけた。この前なんて朔間先輩を怒らせて携帯壊されちゃったからね、悔しいけど用心する必要があるんだよ。
￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣
軽音部に侵入するまでは完璧。問題はここから。ここから棺桶に向かって一直線に進み、蓋が開かないように上に素早く乗る。そこまでが１つの関門となる。
(ここからは、もう喋りもしない。もしかするともう起きてるかもしれないからね……)
私はひっそりと靴を脱いだ。トトトト、床に音が鳴ってしまうが僅か微音。棺桶に乗ってしまえば、いざこちらのターン。
棺桶まであと三歩、二歩、一歩……。
(……よぉし、第一関門クリアだね)
タイツ越しでも十分に伝わるひんやり加減が最高に気持ち良い。朔間先輩が気に入るのも分かるな、ちょっとだけ。私の体重だけでは棺桶が持ち上がってしまうかもしれないので、楽器が入った箱も乗せておく。
『でね〜、兄者ってば凄いよね。なんたってあの背徳的なユニットをまとめてるんだもん、ほぉんと、すごいよね〜』
音量４、チャンネルNo.３４にセットしたレコーダーの電源を入れた。もちろん凛月本人から採取した、朔間先輩のお世辞集である。思えば結構な道のりだったものだ。
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日向サク(プロフ) - ももいちご。さん» はい、ご感想ありがとうございます！このコメントを機に、もっといい作品を作れるように頑張ります！本当に、ありがとうございました！ (2017年9月18日 10時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - 遅くなり申し訳ありません、イベント参加ありがとうございます！ 人物たちの心情が分かりやすく、独特の雰囲気を持った素敵な作品だなぁ、と言うのが率直な感想です。更新頑張ってください！ (2017年9月18日 7時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
S･T(プロフ) - 日向サクさん» えっとですね…『迷っています…(汗)』(かっこは気にしないで下さいf(^^;))のｱﾝｹｰﾄを取ってるんですが…良ければご協力願えますか…?私が出しているｱﾝｹｰﾄですけどf(^^; (2017年5月7日 16時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - はい！どうしました？ (2017年5月7日 16時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
S･T(プロフ) - 日向サクさん» すみません…相談があるんですが…宜しいでしょうか…? (2017年5月7日 16時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク | 作成日時：2017年1月15日 23時
