6話 悪の首魁 ページ7
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「凛月は男の子じゃろ……。Aは女の子なんじゃから『しゃん』として欲しいんじゃよ」
「それが駄目なんじゃないの。わたしは授業だって受けてるし、あんたら……お兄ちゃん達とはちがう。別物なんだよ、べ・つ・も・の」
「あぁ、かわゆい笑顔でそんなことを……! 何故お兄ちゃんを毛嫌いするんじゃ、仲良くしようぞ。お前だけは『俺』の味方だよ……♪」
「ひうっ……!おまえぇ、」
耳元で他のメンバーに聞かれないようにか、しっとりと囁く。胸が熱くなって、破裂しそうなくらい苦しい。反応しちゃうものは仕方ないでしょ?そんなに笑わないでよ。
「うぅ。あんた、卑怯じゃないの……!」
「おめめが真っ赤じゃよ、A♪ ___お兄ちゃんの声に応えてくれておるのか? 我輩、乙女の涙には弱いのじゃよ。どうか泣き止んでおくれ」
「よく言うよ。弱いならもっと泣いてあげよっか?……やめてよ、『お兄ちゃん』!なんでそんなことするの、うわ〜ん……♪」
飴と鞭の使い分けもできないの、あんたは。私や凛月なんかの言葉で『しどろもどろ』になって、取り乱すあんたを見ていると笑えてくるから。昔のあんたは、私に冷水を掛けてきたのに−−−って、それはまだいいか。
「A⁉それはないじゃろ!わ、わんこや〜……これは違うのじゃ!」
「いや、分かってるけどよう……。テメ〜はもっとコイツに厳しくしてやれよ。変なところで厳しくしてやると、返って苦しくなるもんなんだよ。それくらい分かれよポンコツ」
「……はぁ、本当は分かっておるのじゃよ。しかし実際己の罪を贖(あがな)おうとすると、どうしても甘やかすことが全てであると勘違いしてしまうのじゃ。」
「可愛い可愛い弟と妹をベタベタに甘やかしたい……♪」
下卑(げび)た表現かもしれないが、これは紛れもなく『セクハラ』だ。自分が罪を贖ったところで、許されるかどうかの保証も貰えないのを分かっていて、わざと私たちを甘やかす。
これはもはや、兄妹愛なんかでは済まされず、他人と他人を結ぶ赤い糸のよう。それが今の私たち、異常な種族なのだから、異常な関係なんだ____。今はそうして自分をおさめている。
「ほんとに死ねばいいのに。生きてる価値ない、死に損ないめ。そろそろ殺し屋雇うかな」
「おぬしのお兄ちゃんは『UNDEAD』の首魁。不死身を謳うのじゃから、そう簡単には命が絶えることはないよ」
「お兄ちゃんぶるのやめなよ、もどき。」
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黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時