17話 お水やり ページ18
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「う〜、でもめんどい。この学校で、苗字を口にすると変な反応をされるし」
「だけどまぁ、礼儀は尽くそう。わたしの名前は、……く……ま……A」
「えっ?」と、声を上げるけど、「……A、ちゃん」と私の名前を呼んでみては嬉しそうな顔をする。この子は、『いい子』みたい。苗字を気にするそぶりを見せれば、絶対にそれ以上は踏み込んでは来ないから。
革命を手伝うこの子が、まさか知らないわけもないし、何かを察したのは間違いないことなんだろうけど。わかってても、それを無理やり確信に変えようとはしてこない。そういうところに好感が持てる。
「ふえぇ、お疲れさま〜。もう着いたみたい。そこの受付から通るんだよ、しっかりとね。……あ〜。わたしは水やり当番だから、一緒にはいけない」
「まぁ、実際には『当番』じゃないけどね、わたしが勝手に育ててるだけ。……そー、吸血鬼が嫌いなニンニクを育ててるよ、わたしも嫌いだけど、現段階ではまだ一度もへばったことはない……♪」
目の前で、何も知らないような顔をしてパチパチと手を叩く。少しの間ではあったけど、離れるのが名残惜しいくらいにはなった。その顔を見て、「意地悪してやろうか」という気持ちにはなったけど、自分の体調も顧みずにそこまでするほど、私も馬鹿じゃない。
夜の帳が下りたころに、また一興____。今はせいぜい、そのぐらいの抱負を抱えておこうか。
「うん、うん。…こちらこそ。忌々しい朝が少しだけ楽しくなったよ、また今度喋ろうね。じゃあね、『チビ女』〜……♪」
「ふふふ、ほらほら。そんなに怒らないで。」
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黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時