13話 王さま ページ14
・
「あぁっ!リッツ〜、こんなところにいた!」
「おれはいつも探される側だからさ〜、なんかこういうのって新鮮だよな!わははっ、霊感(インスピレーション)湧いてきそう……っ☆」
「サンキュ〜、礼を言うぞ!」。これが『Knights』の王さま。あの『皇帝』陛下の手すら煩わせたほどの才能を持つ異端児。問題児なんて言われていたけれど、曲を聴いてそれが『嘘はったり』なんだとすぐわかる。この人は、天才だったのだ。
まあそれはいいんだけど、この人なんで私に話しかけてくるんだろうか。リッツ……?私は凛月じゃないんだけど、もしかしてあの性悪と勘違いしてる?
「レイか?すまん!おれしばらく見ないうちにお前の顔も忘れちゃったみたい!昨日会ったのに〜っ、お前そんな女顔だったか!まあ顔なんてどうでもいいけどっ☆」
「……うっ、なんなの、わたしは兄者じゃないよ」
両肩を掴まれて、もの凄い速さでぐらぐらと前後に揺すられる。出会い頭にいきなり肩を揺すられて、怒らないわけがない。あまり兄妹間以外について気を立たせない私でさえ、少しむっとしたくらい。
「レ〜イ〜、どうした?いつもはものすごい力で受け止めてくれるのに!たまに素も出ちゃうんだけど!」
「いたいっ、なんで殴るんだ!?」
「待って、ちょうど今降ってきた!」と耳元で叫びだす。いやっ、ちょっと、お前ねぇ。今のこの状況わかっているのか、こんな夜這いされたみたいな体勢でよくも顔色ひとつ変えないでいられる。素晴らしい忍耐力。それとも、ただ疎いだけなのか。
「ちょっと『王さま』、やめてよ〜……?それ犯罪なんだけど、このスケベっち〜。」
「『スケベっち』って。っていうか、お前こんなところにいたの、えっ、じゃあこいつは誰?」
性悪がくすくすと笑ってる。これは酷い。何の仕打ちか、私がこいつといるところを目撃され、さらに兄者と勘違いされるなんて。最高に不愉快なこの心境、いったいどうしてくれようか。
「『王さま』、ほんとに今気づいたんだね。それでこの可愛い可愛いAをあんなゴミ虫と一緒にするなんて……いい度胸だ♪」
「A?……朔間Aってことか?」
「だったらレイから聞いてるはずなんだけどさ、おれはお前らの妹の話なんかひとつも聞いてないっ!オレだけ仲間はずれか、このっ、レイの薄情者〜っ!」
「あ、暴れないでよ……⁉」
135人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時