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100話 ページ5





「ふえぇ、かいちょぉ……うわ〜ん!」


びえ〜ん!と泣き噦(じゃく)る。 その咆哮が学院中に響き渡ってしまいそうなほど、叫ぶ。 会長は煩そうな表情を一つもせずに、「どうした? もっと泣いていいぞ、誰もいないから」と背中をさすってくれた。
今まで募った寂しさが、下からさすられる動きと共に、慣性的に吐き出させようとする。 ここにも、魔力が働いているのではないだろうか。


「うん、大丈夫、頑張ってる奴は一人にはならないから……。 そういう風に世界は出来てる」


「うわ〜ん!」


時々、理解のし難いなだめ方をするが、今は会長の声であったら何を言おうと関係のないことだ。 この時の会長もまた、尋常な状態ではなく、何処か人には見せられないようなことになっていたんだと思う。



_____________

_____



「A、もう大丈夫か?」


「うう、あ〜沁みるっ、うん、いける」


翌日に目が腫れたりでもしたら大変なので、目薬を目に差した。訊いたのは目の心配ではないのに、と思われたかもしれないが、「よかったな」と私の首の裏に左手を添えた。

____なかなか、後処理の上手いことだ。慣れている。 目薬を渡したことや、こうして頚椎を冷やすように手を添えたこと。 誰かにやって上げたことがあるのか、それともただの教養なのか、どちらにしろすごいことだ。


「Aは、あの子が嫌か?」


「えっ? さあ、それはなんとも……」


「プロデューサーが嫌いなのか木下あんずが嫌いなのか、それとも単に女だから嫌いなのかは、そんなの、一つずつ要素を取り除いて実験でもしないとわからないね……」


心底困ったように俯いた。 実際、本当に困っている。 一度だって、あの子を前にして冷静でいられた試しがないのだから、分かりようがない。


「それは難しいけどな。 でも早い内にどうにかしね〜と、仕事が手につかなくなるぞ? 先輩プロデューサーとして、色々訊かれたりもするだろうからな」


そんな、私だけが意識して悪い状況に陥っているような言い方、間違いではないだけになおのこと悲しいではないか。

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伊達 政宗 - ヤバい…零さんが、良い先輩過ぎて、なんか泣ける← (2019年10月28日 23時) (レス) id: f7e36ec018 (このIDを非表示/違反報告)
莉莉子(プロフ) - 続編おめでとうございます! とても面白いので続き楽しみにしてます。お体に気をつけて無理せずに更新していただけると嬉しいです (2018年11月3日 23時) (レス) id: 839bccc6ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2018年10月27日 19時

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