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◇月下美人 7 ページ34

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ベタつく体をシャワーで流し終え
バスタオルを腰に軽く巻いた状態で部屋に入ると

さっきと違い
部屋の明かりがほぼない状態
きっと
君が消したんだろう…

ナニができるホテルにしては
珍しく外が見える窓があり
そこから光が差し込んでいた

ペタペタと素足が床に付くような音を鳴らし
近づいた

君は
ベットの上で
シーツを軽くかぶりながら
窓の外を見ていた


それは
まるで
さっき道端でみつけた
名前も知らない
月明かりに照らされて
キレイに輝く
白い花のようだった


そう
今の君のような…


白いシーツにも負けないくらいの白い肩
俺がシャワーに入る前に着ていた服は
隣の椅子の背にかけられていた


そっと近づき
ギシッと音を鳴らしたそのベットから
君がこっちを振りかえった


ふわり
優しく微笑み


"おかえり"


囁くように言われたそこ声が
俺の胸を苦しめる


ついさっきあったばかりの君に
どうして俺は
こんなに
心を
瞳を


奪われるんだろうか…


細く白い腕が伸びてきて
俺の頬に触れる


「冷たくなってる…寒い?」


少しここは冷房がききすぎているか?


「大丈夫…ねぇ?智が……あたためてくれたら…大丈夫」

「…あぁ」


その腕をとりそっと引き寄せて抱きしめた


.

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作者名:REN | 作成日時:2020年4月17日 11時

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