◇月下美人 6 ページ33
俺はこの部屋とは似つかわしい釣り竿を
入り口に立てかけた
俺の後ろでゆっくりと靴を脱ぎ
静かに入ってきた
ホントにいいのか?
少しの理性で考えるけれど
もうここにきた時点で
そんな考えもどうなのかと
苦笑いしていた
「僕…シャワー浴びてきます」
さっきの月明かりとは違い
部屋の明るさで
君が恥ずかしそうに
頬を染めているのがよくわかった
そのまま足早に
シャワー室へと入っていった
.
.
ペタペタと足音がする方へ顔を向けると
そこに
さっきとは違い
蒸気する頬
濡れたままの髪
備え付けの服は
首元が少しはだけて
さっきは見えていなかった
肌が
そこにはあった…
自分が
ゴクリとあからさまに
唾を飲み込むのがわかって
後ろめたさに
視線をそらし
ベットから立ち上がった
そのまま近くのタオルを取り
ふわり君の
濡れた髪にかぶせ
少し強引に髪を拭いた
「ほら…まだ濡れてるじゃねーか。ちゃんと拭け…」
「ふふっ…ありがとう。智は優しいね…」
タオルから少し俺を伺うように覗き込み
「ちゃんと拭いてるから…智も…入ってきて?」
そのあまりにもかわいい仕草に
たまらず
軽くキスをした
そのままポンポンっと頭をさわり
シャワー室へと入った
.
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作者名:REN | 作成日時:2020年4月17日 11時