花の言の葉【ars】短編集 1 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:9 hit、合計:14,514 hit

◇ひまわり【108本】①S×A ページ22

蒸し暑く汗が吹き出る夏に
俺たちは付き合いだした

昔から一緒にいたのにお互いの思いに気づいていなかったのもあるが俺の家の事情を含めて俺から離れていこうとした

そんなことが起きないと動き出せなかった俺は周りの助けもあり雅紀は俺と一緒にいてくれる

だけど普通の男女の幸せはあげれないけど
それをしたから幸せだと感じるかどうかは人それぞれだ

ちなみに
俺はそれに幸せを感じないやつだ

ただ
雅紀となら別の話

付き合おうって俺から言った場所で
俺は雅紀にプロボーズをしたい！

お互いの家を週末行ったり来たりしているからそろそら一緒になりたい

一緒に住めそうな場所もチェック済み
というか抑えてある
お互いの職場の近くだ
今日は
先に仕事が終わってる雅紀が家で飯を作ってくれてる

俺は珍しく花屋に寄っていた

『いらっしゃいませ』

なんだか花屋の店員ぽくない人がふわふわ髪を揺らしながらこっちへ来た

「あ…ど、どうも」

今まで花なんて仕事以外で買いに来たことがないから人にプレゼントするってなるとどうしたらいいか困ってしまった

『プレゼントですか？』

「は…い」

『どういった感じがいいとか、ありますか？相手に渡させる方の雰囲気とかでも作れますよ？』

「あの…その…プロポーズしたくて。プレゼントする相手はいつも、ニコニコしていて周りを明るくする太陽のようなやつ…なんです」

『プロポーズですか！太陽だなんて！素敵な方なんですね？それなら今1番キレイなひまわりなんてどうですか？』

「ひまわりですか？」

花束にひまわりなんて考えてもなかったから少し戸惑ってしまった

『一般的に薔薇とか良く聞かれると思うんですけど、なんとなくのインスピレーションで向日葵がお似合いなんじゃないかな？って思いまして。それに花言葉とかあるんですけどね？薔薇の花でプレゼントする本数で意味があったりするんですよ？そういう意味では向日葵にもあるんでおすすめです』

「本数…ちなみにひまわりだと何本なんですか？」

『108本です。意味は"結婚しよう"ですよ』

最初こそ違和感を感じたけど太陽に向いて咲く花で元気で雅紀のようにニコニコしたイメージだったから向日葵の花束で作ってもらうことにした

店員さんが持ってきてくれた花はとても素敵でこれだけでこれからする事が上手く行くんじゃないかって思えるほどキレイだった

「ありがとうございます」

と深くお礼をしてから走って雅紀の待つ家に向かった