◆ひまわり【11本】��N ページ21
俺の兄貴はずっと昔から身体が弱かった
家で俺がつきっきりで兄貴のこと見てやりたいと思っていた
けど
あの人が一緒にいたいって言うから
普段ふにゃふにゃしてるくせに
こういうときだけ
男みせてかっこよく言ってきちゃうから
うん
って言うしかないよね？
兄貴もすっごい幸せそうな顔するんだもん
俺だって
そんな兄貴をずっと見てたいからさ？
まぁ？
ほぼ頻繁に会いに行ってたけどね
けど
そんな長く続かなかった
病院のベットで苦しむ兄貴
大野さんがくるとまったくそんなことないよ？みたいな顔して迎える
「兄貴、大野さんにも言ってあげなよ？しんどいでしょ？」
「ふふっ…うん。でも僕の笑ってる顔だけ覚えてて欲しいからさ？一緒に苦しむと智ちゃんもしんどくなるでしょ？そんな顔…僕みたくないからさ？かわりに和也が一緒にいてくれるんでしょ？」
無理やりに笑う兄貴に泣きそになった
「バカだね…ホントに。あの人も頼られたいはずだよ？」
「頼ってるよ…頼りっぱなし…。笑ってる顔見ててほしいとかさ？言ってるけどさ？僕ね？最後の最後まで智ちゃんのこと縛るようなことしちゃったよ…へへっ」
そう言って
兄貴は俺に手紙を渡してきた
「これ…俺になんかあったら智ちゃんに渡してくれる？」
「うん…わかったよ。」
俺は兄貴が大好きだ
恋愛とかそんなんじゃなく本当に大好きなんだ
大野さんが言ってたひまわりに例える兄貴が好きだった
だから直接言うのはこっ恥ずかしいからお見舞いにひまわりを持っていって11本の花束にしてもらった
今日は一段と辛そうな兄貴に花を見せて渡したら
「ふふっやっぱり兄弟だね？和也…俺も和也は"最愛"の人だよ？」
「なっ…何言ってんだよ！！」
「耳真っ赤かっ！くすくす」
恥ずかしすぎて両手で耳を押さえた
「僕もね？智ちゃんに同じことしたから…あっ！あのね？和也…智ちゃんに………」
.
縁側に座る大野さんに手紙を渡した
「大野さん、これ。兄貴から。読んでやって？」
「手紙？」
「うん」
その手紙を読み終えて大野さんは向日葵の数を数えだした
きいろく光る
その花は
太陽に向いてるけど
大野さんを包み込むように
咲いていた
「大野さん99本ってね…………」
.
【11本】−おわり−
向日葵 sunflower
花言葉 「私はあなただけを見つめる」「愛慕」「崇拝」
11本 「最愛」
.
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作者名：REN | 作成日時：2020年4月17日 11時
