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久しぶりに聞いたその声で腰が疼く。
和也)？
知っているか？
俺はお前の声だけで軽くイけるんだよ。
ふだん檻のように監査されてる、ここがなぜ誰もいないのかわかるか？
最初からこうすればよかったんだ
俺にはお前がいないとすべてに意味がない。
「おいで？和也…」
涙で濡れるその瞳が美しく
近寄る和也の腕を思い切り引き寄せる。
力強く抱きしめ首筋に顔を埋め
思い切り息を吸い込み
「はぁ…和也の匂い」
やっと息ができた気がした。
何も言わずそのまま薄い唇に口づけをした。
甘い声を聴かせてくれ
「ふっ…うんっ…はぁ」
名残惜しい唇から離れ近くのソファに和也を寝かせる。
何も言わずされるがままの和也
いいんだな？
ここにきたということはそういうことだろ？
いまさら嫌だと言われてももう帰すわけがない。
お互いに唇を重ね
貪りつくす。
生まれたままの姿になり
互いを求め合う。
俺の下で揺れる美しく撓る腰
紅く染まる頬
俺の跡が残っていない背中
俺の腰に遠慮がちに回る脚
俺の背中に爪をたてる
首筋
耳朶
柔らかい髪
和也の背筋に指を這わせる
甘い、甘い吐息…
俺の全身が腰の奥までもが疼く
丸い短い可愛らしい指が
両手が俺の首にかかる
大丈夫だ…和也
お前の力で楽園には逝かない
俺がお前を連れて行くんだ
俺はその手首を掴み
頭の上に持っていく。
琥珀色の瞳が潤いを増し
不安げに揺れる
その瞳に目尻から流れる雫をみて
俺の欲が高まる
激しく腰を打ち付け
俺の好きな声で喘ぎ啼く。
とめられない動き。
さぁ
和也このまま
一緒に…
欲望のままに二人で…
和也が来る前に用意していたテーブルの上のワインに手を伸ばし口に含む。
そのまま
キスをしてワインを移した。
和也が喉の音をならす。
俺も残りを同じように飲み喉をならした。
和也…
さぁこれから
誰もいないところへ
二人で楽園に逝こう…
桑の実−おわり−
桑の実 Morus australis
花言葉 ともに 死 の う (Let both death)
(果実)ともに 死 の う
(白果)知恵
(花) 彼女のすべてが好き
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作者名：REN | 作成日時：2020年4月17日 11時
