【そらる】過保護な幼馴染

＊ ページ16

S校舎と一般校舎が繋がる廊下で女子の集団が歩いてくる



「ねぇあんた何してるわけ？」




普通なら絶対起こらないことが今起きてしまった




「…」




恐らく漫画とかでよく見るいじめられる直前のシーンだ




中学校時代は比べられるだけで、何もされては来なかった



人生初体験だから




実際はどのようなことをされるのか私には分からないけど




多分、水かけられたり、トイレでなんかされるんじゃないかなとか少し思ってたりする




だけど、もう覚悟は出来てる




なにも怖くない




「一ノ瀬彼方のところに行くんだけど」




私はでかでかと声を張り上げて言ってやった




よしどんとこい！なんでも受け止めよう！




そして女子集団のボス的な立ち位置の人が口を開く




「王子なら屋上に行ったわよ」




…ん？



……んん？




「え？今からいじめられるんじゃ…？」




そう言うと呆れた顔をうかべる女子集団




え？これ私がおかしいの？




「なにいってんの？あなたをいじめた所で王子に振り向いてもらえるわけもないし。」




ほう…予想と違うぞ




「まぁ王子は見るだけで幸せになれるから付き合うのとはちょっと違うのよね。鑑賞用よね」




「えっと…なるほど…」




「居場所を教えたかっただけよ。早く行きなさいよ」




なんだいい人じゃん



身構えた意味…




私漫画の読みすぎじゃん…




とりあえず親切にしてくれた女子集団さん達に



「ありがとう！」と感謝の気持ちを述べて




私は屋上に向けてまた走り出した




なんか拍子抜けしたけど、平和的に納まってよかった

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