ハチ ページ10
俺は部屋に戻ると
食事の準備をしている看護師さんに声をかける
「あの、聞いてもいいですか?」
看護師さんは愛想よく
「えぇ、大丈夫ですよ。」
と答えてくれたので
「患者さんの事なんですけど、あの、いつも屋上で歌っている…えっと」
俺は彼女の名前も知らない
看護師さんは少し悩んではっとしたように
「んーと…中条さん…中条Aさんですかね」
と答えた
「えっと、その、中条さん…今日はどちらに?」
俺の質問に対して看護師さんの笑顔が消えた
「えっと…?」
その空気に耐えられず俺は声を出してしまった
全く状況がわからない
すると看護師さんは申し訳なさそうに
「…今朝お亡くなりになりました」
そう答えた
「…そう…ですか…」
俺はそう答えることしか出来なかった
そして看護師さんが部屋を出ていくと
…
「…っ…」
涙がポロポロ流れてきた
なんでだろう、涙が止まらない
2回しか話したことない相手なのに…
なんでこんなに悲しくなるんだろう
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らゐる(プロフ) - こだまさん» そう言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます! (2018年6月1日 23時) (レス) id: 88a16c59f6 (このIDを非表示/違反報告)
こだま - 綺麗なお話ですね(*^-^*)とても読みやすかったです! (2018年5月11日 19時) (レス) id: 6c1a68587e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らいる | 作成日時:2018年2月3日 19時