夏のせいにして.5 ページ42
信 「あっちぃ……」
片手で照りつける光から顔を遮る。
よく昔は、漂と一緒に水かけてあって
貴重な水を無駄にするなと拳骨を食らった。
だが、目の前に広がる青い海は
どんなに浴びても、なくならさそうだ。
こみ上げる熱気に耐えかねて、
今すぐ走り出して、その塊に飛び込んでしまいたい。
てか、もう我慢できねー！
信 「ヒャッフッー！！」
激しい音を立てて、全身から海に飛び込んだ。
冷たくて、気持ちいいーー
信 「漂、すげーぞ！海ってのは…」
青色の水着に着替えた信が、さっそく海に飛び込む姿を二人は呆れた顔で見ていた。
王賁 「サルが……」
そういう王賁は、黒ベースに白い刺繍が入ってるクラシックな水着を履いて、三人の中でも一番鍛え上げられた腹筋を惜しげもなく晒していた。
眩しい日差し対策に、(現在でいう)サングラスまでかけている。さすが王一族。
蒙恬 「…はは。相変わらずだね、信は」
日に焼けるのが嫌な蒙恬は、日陰の中、ピンク色と紫のグラデーションの水着と半袖の羽織を着ていた。色白の胸板や肌には、いくつかの戦いの傷が刻まれており、引き締まった筋肉が彼が戦ってきた証を示す。
信が騒いでる姿を遠目に、よく三人できた思い出を蒙恬は思い出していた。
頑張って積み上げた砂の城を波に壊されて泣いてる彼女に、白くてキラキラした綺麗な貝殻を見せてあげた。
その瞬間、嘘のように泣き止んで
「ありがとう！宝物にする」と
可愛らしい笑顔を向けてくれた。
その後、嫉妬した王賁が貝殻を掴んで
海に投げ込んじゃって、
結局また泣いちゃったんだけど…。
あの頃には戻れないけど、
その代わり今を一番大切にしたい…
やっと想いが叶ったAとの時間を…。
その時、ザザッと砂を歩く足音が聞こえ
顔を上げる。
顔を上に向けていくにつれ、
折れそうなくらい細い脚から、白くてくびれた腰に向かい、出るとこ出ているおっきな胸の谷間が悩ましい白色の三角ビキニを着たAがいた。
両手を後ろに組んでるせいか、胸と谷間が強調される。しかも、髪型はいつもと違って可愛い…。
A「……恬、みっけ」
夏風に攫われないように長い髪を、耳元で抑えながら、可愛らしい唇が俺の名前を呼んだ…
蒙恬 「…ブッ！！！」
一気に燃え上がった血液が、鼻からたらりと出た。
だが、男としてそんな情けない姿を、愛しの彼女に晒すわけには行けない。
蒙恬は目に止まらぬ早さで、顔を手で覆った。
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sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート：嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか？ (2021年2月21日 6時) (
レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました！王騎の娘というところが最高でした！蒙恬の話がもっと読みたいです！楽しみにしてます！ (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます！さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです！私も更新楽しみにしてます！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！ お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています！ (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月10日 12時
