夏のせいにして ページ38
A「……暑いっ」
…咸陽にも夏がきた。
ミンミンとなくセミがうるさく、
熱さと日照りが昼夜続き、
着物一枚でも汗が止まらず、肌を出して今日も働き始める。
戦う男たちは戦以外では、甲冑を脱ぎ
この時代、なかなか手に入らない貴重な水を消費しないように気をつかっていた。
そんな中、暑さを少しでも逃がそうと
髪を一つ結びする蒙恬がAの家まで向かっていた。
昔よく所有している領地の海に、子供時代に王賁とAと水浴びに通った。
せっかくならAと二人きりで行こうという誘いだった。
あの頃からも可愛かったAだが、
お互い大人になって今では恋人同士……。
夏ならではの熱い夜を、ぜひAと過ごしたい…
と思い胸躍らせ馬を走らせる。
蒙恬 「……A、出かけちゃったんですか？」
女官「申し訳ありません！蒙恬様。
……A様は、今王賁様の屋敷へ…キャッ！」
祖叔「これ！…余計なことを言うんじゃないよ！
…申し訳ございません、蒙恬様。
では、これにて…」
突然現れた老婆が女官のお尻を叩く。
明らかに何か隠したいその状況に、蒙恬は内心むっ…とする。
蒙恬「(……王賁。Aは俺の彼女なのに…ッ)」
馬を引き返して、急ぎ王賁の屋敷へ向かった。
★
蒙恬「…王賁ー！入るよー！！！」
王賁「………勝手に入るな」
蒙恬「うわっ！！なにココ……あ！A！」
いつも通り、こんなクソ暑い日でも変わらず鍛錬し続ける王賁の姿が目に入る。
そして、探し求めていた張本人は、
吞気にゴロゴロと寝っ転がっていた。
その恰好は、「嫁入り前の娘がはしたない！」
と叱ってやりたい程、
無防備にその白い身体をさらけ出している。
着物の裾は通常より短く、太ももが丸見え…。
半袖にも関わらず、胸元が大きく開き、
流れ落ちる汗が谷間を伝うのが見える。
長い髪は上にまとめ上げら、
うなじが赤く染まって妖艶だ…。
しかも暑い…暑い…呻きながら、
ゴロゴロと転がるから下着が見えそうで…
蒙恬は思わず、ごくッと息を飲み発狂しそうだった。
蒙恬「こらっ！///
なんて恰好してるんだ…A!」
俺以外の男がいる所で、
そんな姿を見せて見せてほしくない。
…むしろ、俺だけなら大歓迎なんだけど。
A「恬っ…あつい…よぉ…」
俺が近づくと、ごろんっと上向きになるA。
熱でうなされている様に、
赤くなった頬に流れる汗が
…情事を思い出させて
蒙恬をドキッ！とさせた。
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sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート：嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか？ (2021年2月21日 6時) (
レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました！王騎の娘というところが最高でした！蒙恬の話がもっと読みたいです！楽しみにしてます！ (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます！さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです！私も更新楽しみにしてます！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！ お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています！ (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月10日 12時
