わだかまり.3 ページ26
蒙武「………待て」
蒙武の一言に部屋中の雰囲気がピリッと凍える。
足を止めた二人だが、Aを守るように蒙恬が前にでる。
見上げた蒙武の顔は、いつもより楽しそうで、柔らかいものだった。
家臣たち ((((！！！！！)))
いつもの将軍を知っている者なら、目を疑うだろう。あの蒙武が…、笑っているなんて。
蒙武「この俺相手に、臆せず物を言える女などそうはいない。
恬…、お前は人を見る目があるな。
それに引き換え…………。
幼い頃より、お前には寂しい思いをさせた。
……すまなかった。」
蒙恬「ッッッ！！」
蒙武「だが、約束は約束だ。
将軍になるまで、Aとの結婚は認めない。」
そう言い残りして、奥の部屋まで去って行ってしまった。
残された者たちは、呆気にとられ、しばらく呆然としたが意識を取り戻した者から、続くように部屋から退出していった。
A「………恬」
手をぎゅっと握られて、
蒙恬もようやく意識を取り戻す。
蒙恬 「A……」
いつもいつも彼女には度肝を抜かれる。
ーーーー父からあのような言葉をかけられたのは、初めてだった。
胸の奥に色んな熱い思いが、こみ上げてくる。
A「帰ろう？」
さっきまで泣いていたのに…。
恬が嬉しそうがだから、私も嬉しい…とでも言うように微笑む彼女。
ーーー力がなくて、父との稽古も途中で愛想を尽かされた。
先生と出会い、軍師としての才を見つけてもらい、それでも父に認めてもらえるように
武術も磨き上げた。…ただ、どんなに頑張っても父から褒められることは一度もなかった。
俺は、王賁みたいに頑張り続けることはできなかった。逃げて、寄り道して、結局今…ここまで歩いて来たけど、
それでも、今隣にいるこの子のおかげで、
今まで生きてきて良かった…と心から思える。
…隅で、
泣いてばかりいる子どもの俺に教えてあげたい。
将来、成長してAっていう女の子と出会ったら、絶対手を離すなって…。
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sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート：嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか？ (2021年2月21日 6時) (
レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました！王騎の娘というところが最高でした！蒙恬の話がもっと読みたいです！楽しみにしてます！ (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます！さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです！私も更新楽しみにしてます！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！ お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています！ (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月10日 12時
