part of your world.2 ページ3
A「………ごめん。じい様。
ここの指揮権は、じい様に移行。
蒙驁将軍にも私は下に降りると伝えて…。
私は精鋭部隊と、魏国・総大将と韓の残党をやる。それで戦を終わりにする。」
朱龍 「……何寝ぼけたこと言ってるッ!
目を覚ませッ!!馬鹿娘がッ!!」
ーーーバンッ
乾いた音が戦場に響く。
初めてAは、祖父に頬を張られた。
Aは殴られた頬に手を当てるも、痛みは全く感じなかった。
A「…ッ…お願いいかせてッ
蒙恬が死んじゃったら……わたしッ、うぅ
……生きていけないのっ!」
叱られた子どものように、堰を切ったように泣き出すA。その手は握りしめていたのか自分の血に塗れていた。
孫娘と出会えた日から、娘はあの少年といつも一緒だった。端からみて、幼い頃よりAに好意を持っているのは分かったが、Aにとっても彼の存在感がここまで大きかったのかと朱龍は驚く。
ーーーギュッ
泣き出し震える孫娘の体を抱きしめる。
朱龍 「…下に降りたら、
真っ先に騰軍に向かいなさい。」
肩をぽんぽんっと優しく叩き、離れていった祖父は鬼ように敵を斬り、部隊に指示を飛ばした。
A「…じい様、ありがとう。」
涙を流し両手を合わせ、一礼する。
真紅の兜を被り直し、愛馬に腹を蹴って、目的の場所へと走る。
シュッ…ザシュッ…ブシュッ…グシャッ!!
走り去る天災のように、武神の力が爆発した。
Aが一瞬通るだけで、何十人という兵士の命が散っていった。
例え、視界が血の海に染まろうとも、Aはただひたすら蒙恬のことを考えていた。
✴
ー軍師学校では、会うたびによくイタズラされた。
ー初めて会った時なんて、お互い川に落ちたりして。
ー一族の皆に会えたのも恬と、王賁くんが一緒に来てくれたから。
ー野盗に乱暴されそうになった時も、恬が助けてくれた。
ー父上が死んだ時も、ずっとそばで支えてくれて…
蒙恬 「………俺、Aのこと好きだ」
燃えるように熱い瞳で、見つめてくれた。
A「…(恬、お願い!!死なないで!!)」
✴
Aとその精鋭達は、驚くべき事に1000人は超える屍の山を作り上げた。
そのほとんど、20もいかぬ少女の力であった。
死ぬ隊列に、敵も恐れをなしたか騰軍に合流できたのは、日にちを回った夜だった。
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sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート:嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか? (2021年2月21日 6時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました!王騎の娘というところが最高でした!蒙恬の話がもっと読みたいです!楽しみにしてます! (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます!さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです!私も更新楽しみにしてます! (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます! お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています! (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年8月10日 12時