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永久不変.6 ページ20

外に出ると、繋いでいた蒙恬の馬が見える。貂と羌瘣も心配そうにAの顔を見つめていた。
…何か言ってあげないと。
二人を見てそう思ったが、手を痛いぐらい握っている恬がそれを許さなかった。


無言で通り過ぎて、馬に乗ろうとする蒙恬に、焦って貂が話しかける。

貂 「おいっ!どこいくんだよ!」


蒙恬 「…これからAと大事が話があるんだ。だから、Aの事借りてくね」


顔を笑っていても、目が笑っていない。
…こんなに怒っている恬は初めてで、どうしたらいいのか頭を必死に働かせた。


A「ごめんね…!二人とも…。
式のことで急用が出来たの!この埋め合わせはまた必ずするから…」


言い終わらない内に、Aも乗せて蒙恬が馬を走らせる。二人の心配そうな目が遠ざかっていく。


さすがに可哀想なことをした…と、抗議しようと声を上げるが恬は聞く耳を持たなかった。




あっという間に蒙家の蒙恬の部屋まで、連れて行かれる。そこには普段と違って人っ子一人いなく、助けてくれそうな陸仙達は見当たらなかった。


茶屋から強い力で引っ張られてきた腕は、すでに真っ赤に痕がついていて、普段の蒙恬ならそれを優しく気遣ってくれるはずなのに…。
いつもとは別人のようで、Aは悲しくなって涙が出そうになる。


A「……キャッ!!」



すると、蒙恬の寝台に投げ飛ばされた。幸い柔らかい敷物がいっぱいある恬の寝床は、Aが傷つかないように衝撃を吸収してくれた。


A「…恬っ」
目の前の人は、世界で一番愛しい人なはずなのに…普段とは別人の彼に震えた。
でも、その顔を見ればきっと王賁よりも、Aよりも、きっと一番傷ついてる蒙恬の顔があった。


蒙恬に掴まれた腕は造作もなく寝床に縫い付けられた。余裕のない表情と熱のこもった目が、ひどく色っぽくて、Aは抵抗できなくなってしまう。


A「待っ…、待って…っ!」

蒙恬 「もう待てない。」


噛みつかれた唇から痺れていって、身も心も蒙恬の思いのままだったー。
角度を変えて、呼吸をする隙を与えられないキスに、Aは息継ぎを求めて口を開いた。


A「んんん…っ、ふぁ…っん。」


蒙恬 「…っ…俺こと…すきって…言って」


A「…て、っん…、すきっ…」


蒙恬 「…ッ!……もっと…Aっ」


A「…ってん、大好き、だよっ」



必死にしがみついてくる蒙恬が愛しくて、その顔を両手優しく触れて微笑んだ。

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sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート:嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか? (2021年2月21日 6時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました!王騎の娘というところが最高でした!蒙恬の話がもっと読みたいです!楽しみにしてます! (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます!さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです!私も更新楽しみにしてます! (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます! お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています! (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年8月10日 12時

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