月下美人の君【蒙恬ルート】

永久不変.3 ページ17

A「うーん。…優しいところもあるんだよ？」
どこでもあるような台詞だが、とりあえず彼のことをフォローしておきたい…。
嘘ではないし…。


貂＆羌瘣「下心のある優しさ！！」」バッサリ



A「……(えーーー。汗)」
何を言っても反対されそうで、Aは言葉に詰まってしまった。


A「…(優しくてかっこいいし、頼りになるんだけなぁ…。
なんでも器用にこなすし、頭だっていいし…。
たまにイジワルだけど、一緒にいて楽しいというか…)」



蒙恬のことを考えると、ぽわぽわ…と脳内に色んな場面の彼が現れる。
どんな時でも、Aにとって蒙恬はかっこよくて、胸が高鳴る存在だった。


貂＆羌瘣「「じーーーーーっ」」



A「はっ……！！///」

蒙恬のことを考えすぎて、二人に見つめられているのすら気付かなかった。
恥ずかしさで顔が赤く染まる。


A「もうっ！…二人してからかわないのっ！//」


貂「あはははっ！！でもAが蒙恬のこと、大好きなのはわかったよ。
(俺もそれくらい真っ直ぐに人を好きになりたいなぁ…)」


羌瘣「…………ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ」Aを取られてくやしい。



その時、キャーキャーと女性達の黄色い声が聞こえてくる。
三人で自然と目を向けた所、噂をすれば……蒙恬が笑顔で女性たちに手を振って歩いていた。



隣の羌瘣からピキッ！という音がした。
刀に手を伸ばそうとする手を、貂が必死に止める。


貂「羌瘣ッ！」

羌瘣「離せ！あいつ消して、私がAと結婚する…！」

貂「なに馬鹿なこと言ってんだよっ！！！」


…二人がドタバタと騒がしい中、Aはずっと蒙恬の顔を眺めていた。

持っていた湯吞を置いて、急に立ち上がる。


A「ごめん……ちょっとお手洗い」


そういって早足で去って行ってしまったA。




貂「…やっぱりモテる女は、嫉妬とかしないのかぁ。……Aはすごいな」

羌瘣「…………めちゃめちゃキレてるぞ」




貂「えっ！！何いって…」

そう言って羌瘣が、先ほどAが持っていた湯吞を指差した。

貂「！！！！！」

そこには、握りしめすぎたのがミシミシと亀裂が入っている湯吞があった。




貂「………Aが武将なの、忘れてた」

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