愛を囁きあう夜 ページ13
蒙恬がAにプロポーズしたその日。
蒙武の息子と、王騎の娘が結婚するという大ニュースはまたたく間に、全軍に伝わった。
予想外に噂が広がり、宴にも関わらず各軍の将達が挨拶にくるなど、かつてないほど豪華な盛り上がりを見せた。
当の本人達は、こんなことになるとは思ってもみなく、周りの様子にただただ圧倒されていた。
結婚式やそう言った知らせは、また改めると言っても、皆がやはり喜びを共有したがって、足を運ぶのだった。
夜も静まり、さすがに二人の疲れを労わって楽華隊が指揮を取って、宴会から天幕へと移動した。
胡漸が「お人払はしておきましたのでッ！あとはごゆっくりと！！」など大袈裟なことを言うから、Aは変に意識して、「おやすみなさい」と蒙恬から距離をとった。
幼い頃から思い続けたAを嫁に出来るなんて、まさに夢見心地だった…。今もなお前線で戦い続けている王賁も、Aを思っていたことは知っている。
蒙恬「(…王賁には抜け駆けしたみたいで、悪いな。
だからと言って、もう手放す気はないけど)」
変に意識して、隅で丸まっているAを呼ぶ。
蒙恬 「…A、こっちおいで。」
A 「はっ、はいっ！！」
普段と違って、緊張してるからかAの声が裏返る。それがツボに入ったのか、蒙恬は腹をかかえて笑い転げた。
蒙恬 「あはははっ！サイコー！」
A「恬のバカっ！笑わないでよっ！／／／」
蒙恬 「ごめんっ、ごめんっ…。
…機嫌なおして？」
A 「…恬なんて知らないっ！」
プイっと顔を背けるAに、蒙恬が立ち上がって近づいていった。Aの背後に一緒に座って背中から全身を包むように抱きしめる。
蒙恬 「拗ねた顔もかわいい♡
……こっち向いて」
A 「ん…っ」
心のこもったキスに、私の緊張も解ける。
触れるだけの口づけはすぐに解放されたが、互いが求め合うように唇を重ね合った。
どれくらい時間がたったのだろうか…数分な気もするし、数時間たったような気もする。頭が馬鹿になって、何も考えられなかった。
でも、最近の彼を毎日看病してきた者として、このまま進むのは不安があった。
A「ふ…っ、はぁ…っ。んっ。
…て…、っん…っ！」
蒙恬 「……ん…っ…？」
お互いキスに夢中になっていたせいか、その感覚から中々辞めることが出来なかったが、必死で肩を押した。ぷはっと思いきって距離を取る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sora(プロフ) - 蒙恬ルートのことでお尋ねしたく、【蒙恬ルート：嫉妬の在り処】はどちらで読めますでしょうか？ (2021年2月21日 6時) (
レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 蒙恬が好きで読みました！王騎の娘というところが最高でした！蒙恬の話がもっと読みたいです！楽しみにしてます！ (2021年2月16日 2時) (レス) id: cf24751ccb (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» ありがとうございます！さぁやさんの小説も好きで読んでたので嬉しいです！私も更新楽しみにしてます！ (2020年8月21日 23時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！ お体に気をつけて、どうか頑張ってください。応援しています！ (2020年8月21日 21時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：09kokoa | 作成日時：2020年8月10日 12時
