月下美人の君【蒙恬ルート】

誓い ページ11

正面で見つめ合い、蒙恬の手を握る。



A「わたし…恬のこと、好きです」



公開告白をやらされて、ぷすぷすと湯気が出そう程赤い。林檎みたい。


恥ずかしさで周囲の目を見れないA。


A「…満足した？／／／
恬はまだ安定してないんだから、天幕に戻ろう？」



そう言ってプイッと足早に、
その場を去ろうしたその時…




ーーーー蒙恬がAの前に跪く。

夕日に照らされた彼の顔は、思い出せば幼少の時よりだいぶ大人の男に成長した。


逞しくなった肩や腕、伸びた髪もサラサラとして美しい。村娘達が色めき立つのも分かる。

蒙恬がいきなり真剣な顔をしてきたから、
Aも言葉を簡単に出せずにいた。


蒙恬がAの手の甲に口付けを落とす。






蒙恬 「………A、俺と結婚してください」




A「…っ！！！！」




羌瘣 「なぁッ！！！(私のAを！)」

信 「にぃーーー！！(俺のAを！)」

貂 「ッ！／／／」

飛信隊 「「「けっこんんんんッー？！」」」

蒙驁「フォッフォッフォッ！」


各自反応はさまざまだが、ある意味公開プロポーズに、ほとんどの兵達が絶叫した。



Aは、正直大好きな蒙恬と両思いなだけでも、宙に舞い上がりそうなのに…
こんな自分が…蒙家の長男と結婚など許されるだろうかと…と言葉が出なかった。



突如ふわぁぁぁーっと風が吹き、
その風力に背中を押された、A。


その風の中には、「幸せになりなさい」と言った父の言葉が聞こえてきた。



A「…ッ(……父上、ありがとう)」
大好きな父上を思い出すだけで、目頭が熱くなる。


だめだ、こんな時、どう返事したらいいのか。




「笑って…」




脳裏に父上と寄り添う美しい女性が優しく微笑んだ気がする。

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