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「ストラップ、もらいました！」
しかもお揃いです！
ジャジャーン！とセルフの効果音で及川先輩に見せびらかすけど返されるのは冷ややかな目。
「ストラップ渡すくらいなら俺の前ですればいいじゃん」
「何拗ねてるんですか」
「拗ねてないし！」
本日2度目の及川先輩への報告。
場所は裏庭。
「岩ちゃんももうちょっと女の子向けの買えばいいのに。」
「私がこれ欲しがったんです」
「じゃあ嬉しいの？」
そりゃもう言葉で言い表せないくらいね。
私はへらっと笑う。
「一先輩とお揃いですからね、嬉しいに決まってます！」
意識しなくても緩む頬。満面の笑みが勝手に浮かんでしまう。
「……なーんか、俺も欲しくなっちゃうね」
そう言って私の髪を軽く触る及川先輩。
私の表情が固まる。
(…………あ、あれ？)
「……ストラップ、の話ですよね？」
「どうだろうね」
今度はいつも通り笑い返す及川先輩。
新しい風が吹くとともに、
雨雲は着々と近づいていた。
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2017年7月17日 15時
