26 ページ26
、
低い声を漏らしたのは例に違わずあの人で、さりげなく私も手首を掴まれた。
「一先輩！？」
「こいつもらってく」
「別にいいよー」
「ちょっと！」
眉間にシワが寄りまくりな一先輩に手を引かれ、及川先輩はあっさり私を明け渡すし、
「動くなよ」
「うぉわっ」
廊下の死角で壁に追いやられるし。
ちょっと誰か助けて。
「一先輩、私何かしましたか……？」
「本気で聞いてんのかよ」
「……逃げたこと？」
「おう、それ以外ねぇだろ」
いや、あるにはあるのですが。
と、固まる私の手に一先輩は何かを握らす。
チャリ…と手中で音がした。
(…おー、これは。)
「………………あの、一先輩のストラップがあります。くれるんですか？」
「俺のなわけあるか。買いに行ったわ」
「えっ」
部活の後なのにコレを買いに行ったなんて一先輩体力どのくらいあるんだ。
驚く私の前で照れくさそうに一先輩は呟く。
「…………昨日、いきなりキスして気悪くさせた詫び。それが嫌なら買い直す。」
あぁ、やっぱり好きだなぁ。一先輩。
、
私はストラップを再度見直す。
一先輩は態々私の為に買いに行ってくれてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 618人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ただのルート
| 作成日時：2017年7月17日 15時
