第四十夜 ページ42
俯いて黙り込んだAを見て太宰は
「……逃げるかい？逃げてもいいんだよ？」
と首をかしげた
からかっただけの様に見えるがどこか本気で言っている様にも思える太宰の口調
Aは顔を上げ
「……逃げません。ポートマフィアに恩返しをしなくてはいけませんし。それに……中原さんの顔に泥を塗ってしまいます。ただでさえご迷惑をかけているのにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないんです」
と呟いた
彼女の瞳はドキッとするほど哀しげで、美しかった
再び静寂が訪れるとドアが開き
「粥作ってきたが……食えるか？」
とお粥がのった盆を持った中原が入ってきた
「はい。ありがとうございます」
Aは太宰の手を借りてそっと起き上がった
「そういえば髪の毛切ったんだな」
「はい、動きにくいので切ったんです」
「そうか。似合ってるぞ」
いとも簡単に騙された中原に2人は顔を見合わせクスリと笑った
「……なんなんだよ。粥やらねぇぞ」
「いえ、ありがたく頂きます」
そう盆を受け取ろうとするA
だが元気そうに見えても身体にかかっている負担は相当なものらしく、手が細かく震えている
それを見て
「食べさせてやるよ。俺が折角作った粥が溢されちゃあ堪んねぇし」
と粥を冷まし始める中原
「……なんだかお母さんみたいですね」
Aがそう言うと笑いのツボに入った様で太宰は笑い転げた
中原はそれを睨むだけで我慢した
Aは
「わざわざして頂かなくても、自分で食べられますよ？」
と言ったが
「いや、自分の手見てから言え」
と中原に言われて
「……すいません」
と謝った
「ほら、口開けろ」
小さくAが口を開けると
「そんなちっさく開けられても入んねぇよ。俺不器用なんだから」
と中原が無理やりAの口を開けた
それをニヤニヤしながら見つめる太宰
その顔を見て自分のしていることに気づき、真っ赤になる中原
「よっ天然タラシ！」
「だ、黙れこの包帯野郎！」
匙をAの方に向けたまま太宰の方に中原は振り向いたが、その差し出されたままの粥を口に入れ、
「美味しいです。ありがとうございます」
と微笑んだAに
「天然タラシはこっちだろ太宰ィ！」
と顔をさらに真っ赤にしながら太宰に殴りかかる
「なにも照れ隠しに殴らなくてへぶっ」
Aは首をかしげながら粥を食べ始めた
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーアイテム
谷崎潤一郎の髪留め
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こん。(プロフ) - ラッキーアイテムの敦くんのベルトはどうしたら手に入るのでしょう？？？ (2019年2月4日 17時) (
レス) id: 7ece1a6f43 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - あの、信乃☆様の乗せてあるイラストですが、洋服のレース部分の写真ではないでしょうか？間違っていたらすみません！ (2017年8月24日 9時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 舞鶴さん» ありがとうございます！長ったらしい小説ですが、何卒よろしくお願い致します！ (2016年11月9日 17時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
舞鶴(プロフ) - 信乃☆さん» いえいえ！そうだったんですね！初知りでした！すみません、これからも更新頑張ってください！Ｏ(≧▽≦)Ｏ (2016年11月9日 17時) (レス) id: 69eca19ea3 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 舞鶴さん» 千夜一夜物語とも言いますが、千一夜物語とも言うそうですよ！(Wikipediaさん曰く)なんか千夜一夜物語だとしっくりこなくて、千一夜物語のほうにしたんですよね。紛らわしくて申し訳ないです… (2016年11月9日 17時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃☆ | 作成日時：2016年9月15日 4時
