第三十六夜 ページ38
音を立ててドアが閉まり、2人の間に静寂が降りる
「なぁ」
先に静寂を破ったのは中原だった
「髪に血付いてるぞ」
「……本当ですね。部屋に帰ったら取らないと」
Aが明るく装った、だが震える声で言った
そして自分が上手く誤魔化せなかったと自覚し
「ははっ……今更悲しくなるなんて可笑しいですよね。2日で47人も殺してしまった。サイコキラーも真っ青ですよ」
と冗談めいた口調で目を伏せた
中原は何も言わなかった
……否、言えなかった
「でもこれが私の生きる意味であり価値であるのですから仕方がないですよね。拾ってもらった恩をポートマフィアに返さなければなりませんし」
結局Aは自分に言い聞かせるように結論付け、集中治療室への道を歩き出した
その頬には一筋の涙が伝っていた
Aが集中治療室のドアを開けると芥川はまだ起きていた
「どうしたA？」
まだ包帯でぐるぐる巻きにされている芥川がAに問いかける
「ちょっとした報告にね」
ベッドのそばにある椅子に腰掛けながらAが言う
先程の涙が嘘のような明るい顔だ
「まず１つ目。回復したら龍兄は太宰さん直属の部下になるらしい。スパルタらしいから気をつけて」
そう言うと芥川は
「……あの人ならば付いていっても良い」
とポツリと呟く
その言葉にAは良かった、と笑い
「2つ目は龍兄にとって嬉しい情報じゃないかな」
と焦らすように時間を置く
「早く言ってくれ」
芥川が急かすと
「……銀ちゃん連れてきたよ」
とAは言った
すると芥川がガバっと起き上がり
「本当か！」
と嬉しそうに叫ぶが傷が痛んだようで呻く
「あはは、無茶しないで。銀は結構弱ってたみたいだから、丁度龍兄が回復する頃に回復すると思うよ」
Aがそう言うとありがとう。と芥川は礼をした
「それじゃああんまり邪魔しちゃいけないし、そろそろ帰るよ。また来るね」
そう席を立ったAの手を芥川は掴もうとするが
Aはスッと手を引いた
その行動に目を見開く芥川
いつもならそっと握り返してくれたからだ
「私の手はもう穢れてしまった。だから……もう綺麗な龍兄には触れられない」
最後にAはそう言って出て行った
待て、と芥川は手を伸ばしたがその手は途中で固まる
何故なら夜風になびいた彼女の美しい銀髪には
血がべったりと付いていたからだ
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
谷崎潤一郎の髪留め
ラッキーカラー
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おみくじ
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こん。(プロフ) - ラッキーアイテムの敦くんのベルトはどうしたら手に入るのでしょう？？？ (2019年2月4日 17時) (
レス) id: 7ece1a6f43 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - あの、信乃☆様の乗せてあるイラストですが、洋服のレース部分の写真ではないでしょうか？間違っていたらすみません！ (2017年8月24日 9時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 舞鶴さん» ありがとうございます！長ったらしい小説ですが、何卒よろしくお願い致します！ (2016年11月9日 17時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
舞鶴(プロフ) - 信乃☆さん» いえいえ！そうだったんですね！初知りでした！すみません、これからも更新頑張ってください！Ｏ(≧▽≦)Ｏ (2016年11月9日 17時) (レス) id: 69eca19ea3 (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 舞鶴さん» 千夜一夜物語とも言いますが、千一夜物語とも言うそうですよ！(Wikipediaさん曰く)なんか千夜一夜物語だとしっくりこなくて、千一夜物語のほうにしたんですよね。紛らわしくて申し訳ないです… (2016年11月9日 17時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：信乃☆ | 作成日時：2016年9月15日 4時
