○第弐話 ページ3
何個目かもわからない狭く暗い路地を駆け抜けた時、ふと鉄の錆びた様な匂いがした
血の匂いだ
ツイてない
私はこのルートを回避しようかと思ったが腕時計を見て考え直した
死体が転がっているだけと願って走り抜けさせて頂こう
普通の女子高生はこの様な思考はしないと思うが、まぁ私は割とグ◽テスクな怨霊もたくさん見てきているので今更死体ぐらいは平気だ
私は角を曲がった
その瞬間目に血を流す死体と銃を構えた男達が映る
うわっ…最悪だ
何人も生きてた
私は顔を引きつらせて踵を返す
今から違うルートを通ってでも何とか遅刻は免れられるかもしれない
「おい手前待ちやがれ!」
後ろから怒声が聞こえたが構ってなどいられない
あと1分19秒でチャイムがなるからだ
「チッ…やれ」
背後でその様な言葉が聞こえ、金属のかち合う音がした
たぶんやれ、という言葉を漢字変換すると殺れとなるだろう
勘弁してくれ
まだ死にたくはない
私はポケットから一枚の札を取り出した
そして銃声が聞こえる前に背後に飛ばす
連続して銃声が聞こえたが、痛みはない
作り出した結界が銃弾を弾いてくれた様だ
よし、無遅刻無欠席は守られた
このままあと二つ角を曲がれば___________
私は角を曲がりかけて急ブレーキをかけた
目の前に人が立っていたからだ
いつの間に…
「手前なかなか面白い異能使うじゃねぇか。ちょっと付き合え」
黒い服を纏い、洒落た帽子を被った人が私の前でそうニヤリと笑った
なんかラスボス感溢れてるが、こんな所で立ち止まっているわけにはいかない
あと40秒でチャイムが鳴るのだ
「その帽子、素敵ですね」
私はそう微笑んでその男性の脇の下を潜り抜けた
もう少し背が高かったらありがたかったのだが贅沢は言っていられない
((待ってろ学校!!))
私は背後で上がる怒声を聞きながら大通りに出て、校門に滑り込んだ
その瞬間、チャイムが鳴った
「…ふぅ」
私は汗を制服の袖で拭った
冷や汗ものだった
久々に命の危険を感じた
だが無遅刻無欠席は守られた
私は満足気な顔で教室へと向かった
今日はどの教科書を枕にしようかなんて考えながら
背後で先程の黒い人がこちらを見ているとは気づかずに
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時