○第拾漆話 ページ18
午前3時、家のインターホンが鳴った
私は玄関を出て、看板を休業中に変えて太宰さんの方に向いた
隣には金髪の眼鏡をかけた男性が立っていた
「…国木田さんでしたか。お久しぶりです」
確か2ヶ月ほど前に除霊の相談に来た男性だ
3匹ほど怨霊が憑いていたので祓った記憶がある
「お、憶えておられましたか。お久しぶりです神城先生」
国木田さんはそう言って姿勢を正して一礼した
「国木田くん知り合いだったの?」
太宰さんが国木田さんに尋ねると国木田さんは頷いて
「2ヶ月ほど前に除霊をして頂いた。この方は間違いなく本物だ」
と言った
そして此方に振り返り
「本日はある依頼を引き受けて頂きたく貴重なお時間を_______」
と言った
「そんなに畏まらなくて構いませんよ。私の方が年下ですし。それで、どういったご依頼で」
私が尋ねると国木田さんは手帳を取り出した
相変わらずインパクトの強い手帳だ
「廃病院から夜な夜な叫び声が聞こえるとかいう事で…その調査を承ったのですが我々だけでは不安の残る所だったので先生の所に」
私はその病院の名前を聞いて納得した
そこは確か看護師の放火でベッドから動けない患者が沢山焼き殺されたと言う病院だ
恨みが強いのも頷ける
「わかりました。私でよければ同行いたします」
私は手持ちの札の数を数えた
その病院に挑むには心許ない数だ
「少しお待ちください。すぐ戻りますので」
私は自室の箪笥の中から札を取り出してついでに清め塩を取り出した
そして二人の元に戻り、二人に清め塩を渡した
「何か寒気や嫌な予感がしたら辺りに撒いてください」
そして太宰さんが開けてくれたドアから後部座席に座った
「それでは行きましょう」
国木田さんが運転席に乗り、車を発進させた
私はふと思い出してポケットの薬を取り出す
結局塗っておらず、此処まで持って来てしまった
けれど傷口があれば霊を引き寄せてしまうこともあるから塗っていこう
私は薬の蓋を開けた
薬は無臭で、色だけが独特だった
私が薬を塗ると一瞬で傷が塞がった
凄いな、と思い残りを取っておこうと思ったがその薬は蓋を閉めた瞬間消えてしまった
…不思議だ
私は消えた傷跡をなぞりながら窓の外を見つめた
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作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月9日 23時